謎の壺 (1)
コンコン
「入るわよ」
うん…。。?母さん?
「あら。寝てたの?疲れたのかしら。」
「たぶん…?」
「さっき新しい制服を取りに行ってきたから、1度着てみてね。その後、下に降りてきて。おじいちゃんに会ってないでしょ?」
母さんは言いたいことを言ったら、部屋にこれから通う学校の制服を掛けて下に降りていった。
これが…。これからの僕の制服かぁ。
早速、、着替えてみようかな!
。。。
前の学校ではブレザーだったので、学ランを着るのがとても新鮮である。学ランも中々似合うんじゃないか?ちょうど、部屋の中に前身が見える鏡があったので鏡で自分の姿を眺めていた。
ちょっとポーズを取ってみたり、その場でくるりと回って見たり、したけど、なんか、なんか悲しくなってきた…。。
おばあちゃんに見せたら褒めてくれるんじゃないか?母さんはふーん。まあまあね。とか言いそうだし。よし、下に降りよう!
そういえば、おじいちゃんに会わないと。先におじいちゃんに会いに行こう!あわよくば、学ラン似合ってるぞと褒めてもらえるぞ。
ちょっと急な階段を降りて1階の廊下にでる。そして、左手にある、おじいちゃんの部屋の前に立つ。部屋の襖を開けようと手を伸ばした瞬間、
襖が勝手に開いた。
「秋弦よ!よう来たな!待ってたぞ」
おじいちゃんの部屋だけ自動ドアになったのかと思ったが、おじいちゃんが内側から開けただけみたいだった。
結構ビックリして、後ろに倒れるかと思った…よ!?
「まぁまぁ、、そう怖い顔すんな。学ラン似合ってるぞ?昔のわしにそっくりじゃ」
わぁ!褒められた!
「おじいちゃんは相変わらず、元気だね…」
あれ??そういえば、僕がここに越してきたのは、おじいちゃんが倒れたからであって。目の前のおじいちゃんめっちゃ元気じゃん。
「え?あれは嘘だったの?」
おじいちゃんはあれがなんの事か直ぐに察したようで
「嘘ではないぞ。ちゃんと倒れたわい。」
ちゃんと倒れたんだ。
「だが、ただのぎっくり腰でだったのだ。今日も散歩してきての。」
ふむふむ。ぎっくり腰か。ぎっくり腰でも大変だよ。おじいちゃんの年になると
「秋弦に越してきてもらったお礼としてあげようと、今日買ってきたのじゃ」
そう言っておじいちゃんが取り出したものは、小学生のころに使ったことがある、顕微鏡の箱と同じぐらいの大きさの箱だ。
箱の中から本命であろうものをおじいちゃんは取り出す。
「これは、タイムスリップできる壺らしい。わしは壺と言うよりは、花瓶にしか見えんがの。しかし、壺らしいっ!」