おじいちゃんの家
やっと着いたー。この家、懐かしいな。なんて言うのかな、庭があって昔ながらの日本の家って感じがしてとても落ち着く。
ピンポーンとインターフォンを鳴らして、母さんが玄関のドアを開ける。
「おばあちゃん、ただ今着きましたよ」
母さんが声をかけるとパタパタと奥からスリッパの音が聞こえてきた。
「あらあら、よく来たねぇ。いらっしゃい」
母さんと似た笑顔で玄関でおばあちゃんは出迎えてくれた。
おばあちゃんは母さんととても似ていて、おっとりしていて優しい人だ。外見は髪の色がおばあちゃんは白いが、それ以外は、そっくりだと思う。
今は、おばあちゃんに僕の部屋になる部屋に案内してもらっている。
案内されたのは二階の階段の手前から二部屋目の場所だ。隣は母さんの部屋らしい。
「秋弦くんはこの部屋を好きなように使っていいですからね」
「はい、わかりました。ありがとうございます」
と言うとおばあちゃんはニコッと笑って「では」と部屋の前から離れて下に降りていった。
可愛らしい人だ。おばあちゃんに可愛らしいというのもアレなんだけどな。
しかし、おばあちゃんが敬語で話すものだから、つい敬語で返事をしてしまう。僕は別に敬語キャラという訳ではないのに!
僕は部屋に入って部屋の真ん中に座る。畳が部屋一面に敷き詰められていて、机とちゃんとあり、家具も全て揃えてくれている。
ここが僕の部屋になるんだな…部屋を一望しながら感傷に浸っていると、
ピロリーン
メールの通知音が響いた。
誰だろう、とスマホを開き確認してみると、地元の友達からだった。
そっちで友達出来たか
というものだった。まだ、学校も行っていないのに友達が出来るかっての。アイツのアホさについつい、笑ってしまった。
何だか急に眠くなってきた。やっぱりここまで来るのに疲れたのかな。愛知から東京まではやっぱり疲れたんだな。
今は二時ぐらい。少しぐらい眠っても大丈夫だよな。
僕は瞼の重さに耐えられず閉じてしまった。