表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ

「何らかの理由がある。それか君が望んだからじゃないのかな」





これは誰の言葉だったっけ?








『まもなく、藤池です』



電子のアナウンスが聞こえる。窓の外の慣れない景色を見て、ぼーっとしていたみたいだ。隣に座っている母さんをふと見ると「次、降りるわよ」と言った。僕は頷き、電車を降りる用意をする。



それからというもの、電車は直ぐに駅に着き、スムーズに改札口の方へ向かうことができた。

ここは東京といっても、都心から少し離れているし、そこまで人が多い訳でもなくて助かった。僕は正直に言って人混みが苦手である。

今回おじいちゃんが倒れたと聞いて、おばあちゃんだけだとおじいちゃんの世話が大変だからと、家族3人でおじいちゃんの家に引越す予定だったが、父さんが上手いこと会社を辞められなくて、前の家で一人暮らしをすることになった。

だから、僕母さんで引越してきたわけだ。

この藤池駅はおじいちゃんの家の最寄り駅である。だが、両手いっぱいの荷物を持っているとおじいちゃんの家までの道のりがとても遠く感じる。


「母さん、おじいちゃんの家って、あとどれぐらいで着くっけ?」


「うーん。そうねぇ、いつもなら10分程度で着くでしょうけど、大荷物だし15分はかかるんじゃないかしら」



ああ。やっぱり。15分も歩くんだな。

まだ数分しか経ってないが、手が痺れきた。

着くまで耐えれるかな。これ。母さんがいつもどうりにさっさと歩くものだから、あれ?これは僕が体力が無いだけなのと思えてくる。


秋弦(しずる) 、早く行くわよ〜」


「ちょっと待って」


「もう、だらしないわね。ほんとに男子高校生かしら」


「逆になんで母さん元気なの…」


僕はもう、無理だ。


「はいはい、秋弦くんファイトだよ〜」



母さんの気のない応援を聞きながら、荷物をもつ手に力を入れた。


おじいちゃんの家まで頑張ろう。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ