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第一話 青髪の少女 その名はリル

「勝負!!!」

その場に大きな声が響き渡った。


この丁半博打の大勝負には百億円の金額がかかっていた。

代打ちとして裏社会で有名になり、長い間、負け無しで生きてきた俺にとってはここ一番の博打。ここで負ければ今までの人生がパーだ。百億なんて金はもちろんもっていないし、支払う義務は代打ちの俺には無い。

だが、負ければこの世界での俺の信頼は無くなる。つまり()を意味していた。



「半だ!!!」


そして壺振りが、伏せた壺をゆっくり、ゆっくりとあける。二つの賽が顕になった。

一つ目の賽の目は三。二つ目の賽の目は……一だった。

四、つまり偶数。そしてそれが意味するのは裏社会きっての博打師、本多(ほんだ)(たける)()であった。


「ッッッ貴様!!!絶対に負けないとあんなに豪語していたではないか!!」


大声で罵声をあげるのは白河組の組長、白河幸雄だ。


「これでこの組もおしまいじゃ!!そしてお前も責任を取って道連れにしてやるわ!」


白河は側にあった日本刀を抜き、勢いそのままに本多を切り裂いた。


(くそ、負けたまま死にたくねえなあ・・・)


そんなことを頭に思い浮かべながら本多は出血多量で死んだのであった。




目を開けると知らない天井があった。


「俺は確か白河組長に刀で切られて・・・死んだはずだ」


本多は体を触ってみた。特になにも異変がない。というより、昔つけられた腕の根性焼きの痕が無くなっている。でも間違いなく体は本物だったが少し若返っている。

寝室には着替えが置いてあり、本多はそれを着ると寝室のドアを開けた。


起きた本多の足音が聞こえたのか一階から声がした。


「あ、人間、起きた」


無機質な声を出していたのは、肩上できれいに揃えられた青い髪をした少女だった。


「あ、あぁ、君が俺を・・・その、助けてくれたのかい?」


本多は助けてくれた、と言ったがあの状況で助かるわけがないのはわかっていた。だが、現に今生きているということは助かったということに他ならなかったため、他の言葉が見つからずに言葉に少し詰まった。


「そう、この家の前で倒れていた。そのままだと死ぬから連れてきた」

「そうか…ありがとう。助かったよ。それで君のご両親は?出来ればお礼をいいたいんだけど」

「お父さんは死んだ。お母さんはいない」


(やべ、地雷踏んじゃったか・・・!?)


「それは気の毒なことを聞いてしまった、ご両親のことを知らずに変なことを聞いてすまない。許してくれ」

「木の毒?家の周りの木には異常は見られない。それにお父さんが死んだことを聞くことの何が悪い?」


少女は淡々と抑揚のない言葉で話した。本多は得体のしれない少女に少しビビっていた。


「ごめん、名前を名乗るのを忘れていた。俺は本多猛。好きに読んでくれ。君の名前はなんていうの?」

「ホンダタケル、記憶した。私の名前はリル」

「ありがとうリル、えーっと、ちなみにここはどこなんだい?」

「ここは王都エリオスから約五キロ離れた、名もない森にある家だ」


(王都?エリオス?俺は海外に来ちまったのか?でも日本語は通じてるしなぁ)


「すまんな、俺はその場所をしらないんだ。ここは日本なのか?」

「ニホン?私は知らない」

「じゃ、じゃあここは地球なのか?」

「チキュウ?それも私の知らない言葉。ここは家だ」


(ああああ、もうこの子はなんなんだ?全然話が通じないけど言っていることが本当だとしたらここは・・・異世界ってやつなのか?)


「そ、そうか、確かに家だな。。そうだ、その付き合ってくれないか?とりあえず俺はその王都とやらに行きたい」


リルは青い髪の毛が途端に赤くなった。


「付、付き合って?今日あなたと初めてあったのに付き合うなんて・・・」

「ん、んな訳ないだろーー!!!」


本多はリルに本能的にチョップをかますとグギッと手の骨が折れる音がした。


「い、いてええええええええええええええええええ!!!」


本多は右手に全治三週間の傷を負った。





お読みいただきありがとうございます。

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