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ロマンチックどこいった
「私達、付き合おうか。」
そんな言葉が僕の幼馴染から飛び出したのは、桜が散り緑が芽吹こうとするある日だった。それに対しての僕からの返答はただ一言。
「………………………………は????」
女の子の告白にこんな返事があるか!との怒りの声もあるだろう。うらやましいぞこのやろう!との嫉妬の声もあるだろう。しかし僕がこれしか言えなかったのはとてもとても仕方のない事なのだ。確かに出会って十数年のこのタイミングに僕達の関係を突然変えようと言われた戸惑いはある。初めて告白されたので驚きもある。だけれどもそんなことはとてもとてもとても些末な事だ。僕が死後硬直と言っても過言ではない(いや過言だが…)状況になっている本当の理由…それは……
ここが僕の家の食卓で!
右手に箸!左手に茶碗!
右側にニヤニヤ顔の親父!
その正面にキョトンとした妹がいるからなんだああぁぁぁぁぁあああああああ!!!!
……いつでもいいから過去に戻りたい。