表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/37

代償と一年

こんにちは。

まだ、説明回です。

年齢が大きくなるまで、大きな冒険はしません。

よろしくお願いします。

転生してから一年が過ぎた。



父さんや母さんの会話を聞きながら、情報を集めたり、レベルアップする方法を探して頑張った。


まず、分かったことは、俺の生まれたこの国の名前は、クロム王国らしい。

クロム王国のフロネ街だそうだ。

文明レベルは中世のヨーロッパくらいかな。


東隣にガルード獣国という国があるらしく、最近まで戦争していたらしい。


一様、停戦中みたいだ。


西隣はエルフの森があり、クロム王国とは仲が悪いらしい。

そのため、人間はエルフの森には入ってはいけないらしい。


北には海があり、南は険しい山脈が連なっている。

山脈にはドラゴンの巣もあるらしいが、山を越えるための安全ルートはあるらしい。


獣人やエルフ、ドラゴンがいるという情報を聞いてみて、期待で胸がいっぱいだ。


そして、この世界は一年が360日、一月30日で十二か月と、あまり地球と変わらない。


寒くなったり暑くなったりしたことから、四季もあるようだ。


そして、お金の単位も分かった。


銭貨→銅貨→大銅貨→銀貨→大銀貨→金貨→大金貨があり、それぞれ、一クロム、十クロム、百クロム、千クロム,一万クロム、十万クロム、百万クロムとなっている。


父さんの稼ぎは月に80万クロムほどと小耳に挟んだ。

父さんの仕事は見た目どうり冒険者で、しかもかなり強いらしい。


母さんは専業主婦でほとんど家にいる。

だけど、治癒魔法が出来るらしく大怪我をした人が出たときは、家に母さんを呼びに来る人がいるほどだ。


そして、肝心のレベル上げだが、実はもう結構上がっている。

理由は自分に治癒魔法をかけ続けているからだ。


はじめは10回くらい自分にかけただけで疲れてしまい、寝てしまったが、毎日毎日繰り返すことで、出来る回数が増えていった。


何十日かして、自分を鑑定してみると、レベルが上がっていたので、嬉しくなって出来る限り頑張った。

今では、レベル34になっている。


治癒魔法の質も良くなり、鑑定もより詳しく分かるようになった。

鑑定した中で出た、分からない語句を鑑定出来る二重鑑定もできるようになった。

大きな進歩だ。


早く歩けるようになって、外に出て色々活動したいものだ。

外の景色や世界をそろそろ知りたいな。



さて、生まれて一年が過ぎたといえば、誕生日が来たことになる。

現在、父さんと母さんは俺を祝ってくれている。


「ママ。」


せっかくの誕生日なので、初めてしゃべってみた。


「キャー!フレちゃんがしゃべった。あなた、フレちゃんが初めてしゃべったわよ。」


結果、母さんは超大喜び、何回も何回も褒めながら高い高いをしてくれる。


父さんの方はというと、羨ましそうに母さんをみながらも、次は自分も呼んでもらえるのではないかと期待しているようだ。


「パパ」


「おおっ!」


今度は父さんに高い高いされた。


少し父さんの握る力が強かったので痛がってみた。

すぐに父さんは母さんに怒られた。


父さんのしょんぼりした顔が面白くて笑顔になったら、二人とも笑顔になった。

俺はこの二人の元に生まれてきて良かったとすごく思った。


自分の強さばかりの気になっていたが、父さんと母さんの強さも気になったので、鑑定してみた。


ターリア・ヘルクレード

年齢 《エイジ》34

職業ジョブ Bランク冒険者

レベル 61

種族レイス人間

技能スキル


『身体強化』 一時的に身体能力を底上げ

『剣術』 剣の扱いが上達

『守りし者』 守りたい人の為の戦闘時、身体能力上昇

『家族愛』 家族を愛するほど、自信と家族に運アップ


※レベルに応じて効果上昇


状態ステイト 元気


体力B 魔法力F 筋力B 智力D



ターリア・ソフィ

年齢 《エイジ》24

職業ジョブ 専業主婦 (治療士)

レベル 56

種族レイス人間

技能スキル


『癒しの力』 治癒魔法の能力向上

『水を操る者』 水を自由自在に操作可能 水魔法強化

『守りし者』 守りたい人の為の戦闘時、身体能力上昇

『家族愛』 家族を愛するほど、自信と家族に運アップ


※レベルに応じて効果上昇


状態ステイト 元気


体力E 魔法力B 筋力E 智力B



二重鑑定できるようになったので、ステータスのランクの基準が分からなかったのを鑑定してみた。

ステータスは冒険者ランクを基準として見ることが出来るみたいだ。


基本はA~Fまでのランクで決まっているみたいだ。

Fランクが冒険者以下。

Aランクが超一流冒険者らしい。


英雄クラスだとSランクもあるそうだ。

だが、BランクとAランクとSランクには大きな差があるみたいだ。


Bランクは経験と努力を重ねて長年鍛えた熟練者レベルの強さ。

一流の冒険者。


Aランクは特殊な才能とセンスがあり、人間の限界に到達した者の強さ。


Bランク冒険者100人くらいでやっと倒せる化け物。


Sランクは国を滅ぼすことができる強さ。

戦おうとも考えることができない、圧倒的な強さ。

人間の長い歴史の中で3人しかいない存在。


次にB~Sの冒険者の成りかただ。

自分のステータスの1つにB以上のランクが着いるか、強い技能スキルを持っていてギルドに認定されるとBランク冒険者になれるみたいだ。


Aランク冒険者になる為には、ステータスの一つにA以上のランクが着いているか、とても特殊な技能スキルを持っていること、さらにギルドのAランク指定のクエストをクリアするとなれるみたいだ。


Sランク冒険者は、ステータスの1つにSランク、または、ステータス二つにAランクが着いていること、さらに人類を救うような偉業を成し遂げた人がなれるみたいだ。


俺もSランク冒険者になってみたい。


ランクが高いほど、体力ならタフさが上がり、死ににくくなる。

魔法力だと魔法の使用回数と威力が上がる。

筋力だとダメージを受けにくくなり、力が強くなる。

智力は頭の回転が早くなり、判断力が上がる。


それらを踏まえて考えると、父さんも母さんもスペックが高いみたいだ。


父さんは筋力が一流で剣術の技能スキル持ち。近距離で戦うタイプ。

母さんは、水魔法で攻撃でき、味方の回復もできるタイプ。

魔法力が一流だしね。


二人ともタイプは違うけど、大分強いのではないだろうか。

早く越えたいな。


あと、母さんは種族違うと思うくらいきれいだけど、人間だった。

まあ、俺が人間だから、そりゃあ人間か。


そして、気になる俺のステータスだが…。


ターリア・フレード

年齢 《エイジ》1

職業ジョブ 無職

レベル 34

種族レイス人間

技能スキル


『異世界言語』 誰とでも会話が可能

『鑑定』 見たものの価値や効果がわかる

『回復を極めし者』 死んでいなければ、どんな病気、怪我も治せる

『魔導書』 見た魔法を記録し、使用できる


※レベルに応じて効果上昇


体力F 魔法力B 筋力F 智力C


……1歳でこの強さはぶっ壊れだと思う。

すぐにでも俺は世界一強くなれそうだ。

女神様に感謝。


ひとつ、ステータスを見てて気付いたことは、母さんは治癒魔法が得意で、俺は回復魔法が得意という点だ。

つまり俺は母さんよりも上位の能力を授かっているのだと思う。


なぜなら治癒魔法は傷を治す効果で、回復魔法は傷を負う前の状態に戻す+傷が無かったことにする効果があるからだ。

つまり俺のほうが大きな怪我に対応出来るということだ。

早く成長して、怪我をしている人に回復魔法を使ってみたい。


もちろん、自分には毎日回復魔法をかけてはいるが、右目と左腕が再生する様子は微塵もない。


まあ、そう簡単には治らないか。

レベル上がってもさっぱりだ。

期待はしていないけどね。


そんなこんなで一年が過ぎ訳だが。

とりあえず、一人で色々行動出来る年なるまでは、レベル上げと情報収集に徹することにした。


やりたいことは沢山あるが、焦っても失敗しそうだし。


1日1日を着実に過ごすことにした。




ターリア・ソフィ視点


フレちゃんが一歳になった。


旦那と一緒に暮らすようになってから四年がたって、ようやく出来た子どもだった。

子どもが出来たと知ったときは、本当に嬉しくて泣いてしまった。


旦那も大喜びで近所中に自慢をしていた。

とても幸せな瞬間だった。


私は元々、子どもが出来にくい体みたいで、凄く悩んでいた。

旦那は気にするなと言っていたが、二人とも子どもが凄く欲しかった。


お腹が段々大きくなって、自分の子どもはどんな子だろうと、凄く楽しみだった。

そろそろ生まれる時期になり、旦那もずっと家にいてくれるようになった。


旦那の手料理はあまり美味しくなかったけど、側にいてくれて心から幸せだった。


そして、ついに破水がきた。

凄くお腹が痛くなって生まれそうになった。

旦那はあわてて、近所のおばさんたちを呼んで来てくれてた。


出産に何十回も立ち会ったことのあるベテランのおばあちゃんも来てくれて、なんとか産むことができた。


凄く痛かったけど、旦那が手を握っててくれて、心強かった。

産んですぐ赤ちゃんを抱かしてもらった。


黒い髪の可愛い赤ちゃんだったが、左腕が無かった。

右目も無かった。

眼球が無くて空っぽだった。


私は混乱して取り乱したが、ベテランのおばあちゃんに、たまにこういう子が生まれることがある。

「自分を攻めちゃあいけないよ」と言われた。


…それでもショックだった。

普通に産んで上げられなくて、私は自分を憎んだ。

この子に何度も「ごめんね」と謝った。


そんな私の様子を見ていた旦那は、声をかけながら、ずっと優しく抱き締めてくれていた。


「自分を責めるな。最高にかわいい、俺とお前の宝だぞ。この子に不自由があるとは思うが、これから二人で支えていこう!」


旦那の言葉に、私は旦那と二人でこの子の目となり手となり、支えていくことを強く心に決めた。


ハイハイをしようとしてもバランスが取れない姿や、右側に立つと気づかないフレちゃんを見て、たまに自分を責めてしまう。


だけど、そんなときにこの子は笑顔を見せてくれる。


この子の笑顔を見ると、私も幸せな気持ちになれた。

一歳になったフレちゃん。

今日も沢山笑ってくれて、さらには「ママ」と呼んで貰えた。

凄く凄くうれしかった。


この子が大きくなって、自分と回りの人が違うと気付いて、何で僕には左手がないの?と聞かれる時を想像すると、怖くて眠れなくなる。


だけど、この子が少しでも不自由を感じないよう、これからも頑張ると、旦那と一緒に決意した。



お父さんもお母さんもいい人です。

お母さんの方が過保護です。

二人とも結構お金はもっています。

フレードは恵まれた環境に生まれました。

フレードは実際に外の世界をあまり見ていないので、鑑定にほとんど頼って情報収集しています。

便利な技能スキルです。


『家族愛』の技能スキルはそれほど珍しくありません。

愛があるなら簡単に手に入ります。

逆に家族でこの技能スキルが無かったら…。

少し怖いですね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ