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爺さんと暇人ふたり

「おはよ〜リキ〜」

「おはよー」


このイヤホンつけてから約二週間、だいぶリキとの挨拶もなれてきた。まぁイヤホンが無くても普段からリキ挨拶してるからそんなに変わらないが。


ところで、、、いつになったら俺の家族は帰ってくるんだ?


そんな事を思いながら、開く事のない妹の部屋のドアを見つめる朝。


支度を終え学校へ向かう。いや~何だろ~な~、このイヤホンあるなら普通それに関する何かが起きてもいいんじゃないかな~、うん、、、起きないのが現実なんだよね、、、そもそもこんなイヤホンある事自体おかしいんだよ。


1人そんな事を思いながらいざ学校へ。




キーンコーンカーンコーン


「んじゃな~」

「また明日~!」

「うーい」


いつも通りすぎてつまらん一日だった。


だがもう冬休み間近、受験生は最後の追い打ちに入るころ。


もちろん俺も毎日復習をやっている。ただひとつ問題がある。

この耳に詰まってる異物だ…

これがもし面接でアクセサリーか何かと勘違いされたら...



似たようなことが現実で起こってしまった。

「逆井君、なんですか~?その耳につけているのは?」


「えっ、あ、いや~その、これはですね」

まさか担任に聞かれるとは思いもしなかった。しかも職員室で...


「学校ではそーゆーものははずしてください!さもないと没収ですよ?」


「いや、実はこれはずれないんですよ」


「嘘ついてないではずしなさい、それとも先生がはずしてあげましょうか?」

そんなこと言われてもはずせませんよ...くっついてるみたいにコレ頑丈ですし

だが本当のことを言っても信じてくれないのが大人だ。いくら言っても言い訳としか聞いてもらえず信用しようとしない...

ましてやここは職員室であり敵だらけだ、異論反論を唱えようものなら俺はこいつらの格好の的になっちまう。

とりあえずここは言うとおりしてとれないことを証明してやろう。


スポッ!!

「あれ...」


「ほら外れたじゃないですか!コレは先生が放課後まで預かりますからね!」


放課後、イヤホンを返してもらい俺は校門から出た。


ササッ ササササッ


「!?」

誰かにつけられてる? さっきから後ろに人の気配を感じる。


気味が悪いな、早く帰ろう。そう思った時、方に手がかかる。


「ひっ!?」


「君、そのイヤホンをどこで拾ったのかね?」

いきなり隣に70くらいの白衣を着た爺さんが現れた。身長的に俺の肩くらいだから、150くらいか? ヒゲの似合う以下にも発明家みたいな爺さんだ。


「え、あ、、、コンビニですけど…」


「そうか!やっぱりそうだったのか!イヤー、何処かで無くしてしまったと思って探し回ってたんだよ。で、どうだ?そのイヤホン?もう耳にはめてみたか?」

コンビニのおにぎりの棚に置き忘れるとか、もう認知症だろ…


「はい、しばらく取れなくなりましたが」


「それで!何か!何か変わった事はなかったか!何かが聞こえるとか?」


「動物の声が聞こえました… でもこれ壊れたみたいで近くの動物の声しか聞こえないんですよ」

何をしてるんだ俺は…知らない爺さんに質問されて素直に答えて…


つか、もしかしてこの爺さんがコレ作ったのか?

だとしたら世紀の大発明だぞ!?


「君、家は何処かね?外だとあまり言えない事があるのだが」


「あ、はい。この近くです」

見た感じ悪い人には見えなかったので、俺は爺さんを家に入れた。


「ほう、ここがお前の家か、、、」


「そうだけど…なにか?」


「狭い」

悪かったな狭くて…

「それよりいろいろ教えて下さいよ、これ何なんですか?まぁ、俺がアニメの主人公みたいに問題起こさなかったから良かったけど」


「それより、もう一回イヤホンをつけて見てくれないか?」


「嫌ですよ!また外れなくなったらどうするんすか!」


「その時は、外すから大丈夫だよ」


「これはあんたが作ったんですよね?」


「そうだよ、さぁ早く着けて見てくれ」


言われるままにつける。


また外せなくなった…


「やはりな、ちょっと耳見せてくれないか?


「あ、はい」


爺さんに耳を見せる。 すると、スポッと簡単にイヤホンが外れてしまったではないか。


「君、外れなかったとか言ってたね。外れないわけだよ、これセーフティーかかって外れなくなってるよ。馬鹿だな~自分でセーフティーかけといて外れないなんてナシだよ」


「、、、セーフティー?」


「セーフティーというのはあれだよ、簡単に言うと外そうとすると釣り針のようにカエシが出てきて外れにくくするように作ったんだよ」


「は、はぁ」

待てよ?カエシがついてるということは、耳の中とんでもないことになってるんじゃないか?

俺も何回か釣りをしたことがあるから分かる。あれは一度刺さったらなかなか抜けない。


「ほらこれをよく見てみなさい、カエシがところどころ折れてるじゃないか。いったいどれだけ引っ張ったらこうなるのやら」


こんだけですはい。




「つか、コレなんなんですか?動物の言ってる事分かるとか世紀の大発明じゃないすか!」


「いや、まだまだなんだよ。これは試作だから着けてる本人に負担がかかりやすいんだよ。学習型だから毎日動物の出す声のデータがパソコンに送られるんだが、誰かに悪用されたのかと思って探し回ったんだよ」


「つまり俺が着けてパソコンにデータが流れ始めた。するとあなたは、無くしたのに気づき探し回ったと?」


「いかにも!」


「はぁ、、、てかあなたは、何者なんですか、こんな発明してるくらいならそれなりの研究所とかあるんじゃないですか?俺が知る限りこの辺りには無いと思いますが、、、 例えば秘密結社の幹部とか」


「ん?わたしは発明が好きだから発明やっとるんだよ?」


世の中には信じ難い事だが、この爺さんが嘘をついているとは思えない。


「そーいえば話したい事あるんじゃないですか?」


「おー、そーだったそーだった。オッホン」

なんか改まった感じで話とやらが始まった。

「君に一つ頼みがあるんだ。そのイヤホンはさっきも言った通り学習型だ。パソコンにデータを、送り続けてくれる。だからそれをいつもできるだけつけていてくれないか?何処か遠出する時はとくに!頼む!出来れば日本全部回りたかったが、この辺一帯だけでもいい!図鑑を完成させたいんだ!」

なんかポケ○ン図鑑完成させるのに似てるな…

「ようはそれを着けて動物の声聞けばいいんですね?」

「そうだ。聞いた声はこっちのパソコンで翻訳されるから君はいつも通り日常を送ってくれればいいんだ」


退屈な日常から脱出するチャンスかもしれないな。

また頭に2人の俺が出てきた。

好奇心「面白ソーじゃん!手伝ってヤローぜ!」

冷静な俺「いや、もしかしたら何か企んでるかもしれないゾ?」

???「イヤイヤ、企んでるなら裏をかいてやるのも手だぞ!」

「「誰だよお前!!」」

テツオ「どうも、テツオです」


今回はテツオに身を委ねよう。


「わかりましたよ、手伝いますよ。でもこのイヤホンの事俺以外に2人知ってるんですけど、、、」


「なら今2人とやらを読んでくれないか?下手に言いふらされては困るし、手伝ってくれたらありがたい」



30分後、、、


「うーっす来たぞ」

「よ〜ヒロキ、なんか用事か?」


よし、暇人ふたりがそろった。


「んで、その人誰?」

三牙の質問に答える。

「この人はさっき道端で知り合った爺さんだ。俺の耳に付いてるイヤホンを作った人らしい」


「おー!てことはこの人スゲーじゃん!」

「イヤホン?」


三牙の子供みたいな反応にもいろいろ思うところはあるが、小倉の記憶力にはやはり問題がある。

これは今の反応で分かるのだが、では何故俺がテストで負けたのかという新たな疑問が生まれる。


そんな事を思っていると爺さんが咳払いをした。


「私はこの近所に住んでいる駿目敏夫≪するめとしお≫だ。よろしく」


まぁ、いきなり名乗られても「は?」ってなるがそこは空気を読んだのかとりあえずみんなで適当に頭を下げる。


「君達に頼みがあるんだが、いいかな?」


「まぁ俺はさっき聞いたからいいよ」

「内容にもよりますが、、、」

「別にいいよ」


「まず、このイヤホンの事を他の誰にも話さないでくれ。それだけは約束してくれないか?」


みんなで、頷く。


「で、何で俺らまで読んだんですか?」

注意、小倉は最近口が悪い。大人に普通にタメ口聞きそうなレベルだ。

「君達に手伝って欲しい事があるんだ。それを今から説明しようと思ったんだが、腹が減ってな、、、何か食べさせてくれないかな」


「へいへい分かりましたよ、ふたりとも夕飯食べてくか?」

とか言いつつなんで知り合ったばかりのこんな怪しげな爺さんに飯食わせなきゃいけないのかと思っている自分がいた。

「お、マジで!食う食う」

「んじゃあたしも」

「うい」

「いやー、すまないね」

さて、何を作るか、、、

冷蔵庫の中にはキャベツ、レタス、トマト、きゅうり、ラーメンの麺、もやし、卵、ハムしかない…

この人数で作るなら、、、まぁ、全員で4人だが。


ラーメンとサラダだな。


「ラーメンでいいか?」

「オッケー!」

「あんた料理で来たんだ…」

「構わんよ」


いつか一人暮らしを強いられるのが男だ。このくらいの事が出来なければ今頃うちにはビニール袋とゴミのエベレストが出来上がっていた事だろう。


30分後、

「「いっただっきまーーす!」」


「うめー!やっぱお前ラーメンに関しては天才だな!」

「ヤバイ、意外すぎる」

「うまい」


いや、醤油ラーメンに炒めたキャベツともやし入れただけだよ?サラダだってゆで卵とその他全部入れただけだし。


「じゃあ、本題に入る」

やっとか…

「このイヤホンは知ってのとおり近くにいる動物の言葉を翻訳出来る。そしてそのデータは私のパソコンにリアルタイムで送信されている。だから出来たら毎日着けてて欲しいんだ。君の着けているのはまだ試作段階のものだからいろいろ不都合はあるだろうから、これからさらに研究を重ねて改良型を渡すつもりだ。もちろんふたりにもな」


「「何で俺ら(あたし)が!?」


「秘密を知られたからにはやっぱり手伝って欲しいからね。もちろん嫌ならいいんだが、コレで大儲けした時は山分けするつもり何だが」


「「手伝います!!」」


「よし決まりだ。これは私の携帯の電話番号だ」

そう言うと爺さんはポケットから紙を取り出して、どこから出したのやら短い鉛筆で番号を書き始めた。


「だいたい私は家にいるか秋葉原にいるから気軽に電話して構わんよ」


なんか日本語おかしくないか?私は家にいるか秋葉原にいるから、、、

まぁ、所詮爺さんだし気にしない事にするか。





こうして俺の耳に付いてたイヤホンの正体が分かった。

次は17日には投稿します。


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