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日常プラスα

2時間目 体育


今日の体育は20分間走だ。


パーン!

みんな走り出した。

運動部系の奴らは先頭を行く。そして真ん中は俺のような特に何もしていない奴ら、最後尾はやる気のない奴や足の遅い連中。



この時重要なのは、外側でも内側でもない真ん中を走る事だ。 つまりはみんなの影に隠れる。先生から死海になるので会話しやすいのだ。

俺はダルイのは嫌いだが、マラソンごときならどうという事はない。

20分間適当に走りながら何か考えてれば終わる。



だが今回は違った…

いつもなら小倉が隣にいるからしりとりとかしながら走ってるが、何故か今隣にいるのは…

「おいヒロキ! あとでおまえんちの犬に会わせろ! さもないと殺すかんな」

「どんだけ犬好きなんだよ…」


影鵺 三牙だ。

何故隣にいるかは俺にはわからない。 だが会話しているうちにこいつが犬好きなのが分かった。

今まで話さなかったから分からなかったが、普通の女の子っぽい一面もあるようだ。

あと何故かこいつも俺をファーストネームで呼ぶようになった。

「あのさ、ヒロキ その耳に着いてるヤツってコンビニにあったんだよな?」


「うん、そうだけど? なんで?」


「お前、それ万引きじゃね?」


「あ、、、」

そうだ、よく考えらコンビニの棚にあったんだから勝手に取ったら万引きになっちまうんだ、、、 やべえ、どうしよう


「おい浩輝のヤツ影鵺と話してんぞ」

「ホントだ〜」

「やべえぞ 目合わせたら殺されるぞ」

「ちょっと距離開けようぜ」

周りがざわつき始めた。 それに影鵺が作り笑顔で反応する。

「テメェら?放課後倉庫の裏で待ってるぞ★」

「「すみませんしたーーーー‼」」

そう言って男子が一斉に走りだした。もちろん俺は走らない。

「待てやゴラァーーーーーーーーーーーー‼」

熊の狩が始まった



パーン!

今回の犠牲者は6人 全員後ろから足を引っ掛けられ豪快に転んだ。



3時間目 4時間目が終わり給食、小倉が帰ってきた。

今日はキムチチャーハン 男子なら絶対おかわりする。

もちろん俺もおかわりする。学校で唯一美味い給食だからな、食わなきゃもったいない。これ食えない奴とかマジ人生の半分損してる。


女子もおかわりする程だ。間違いない!


1回おかわりすればほとんど無くなるが2時間目におかわり主要メンバーが全員保健室行きになったので今回はかなり残っていた。

なので小倉は3~4回おかわりしていた。


そこへ、おかわり主要メンバー達が帰ってきた。

もちろん彼らは、キムチチャーハンをおかわりしに給食台に向かったが…

「早くしろよ!」

主要メンバーの、1人が前の女子に軽く言った。

「ん?」

影鵺だ。ちょうど最後の1杯をよそり終えるとこだった。

「あ、悪い。もう無いよ」


影鵺にそう言われて主要メンバーは、静かに席に戻った。それに続いて影鵺も席に戻った。



6時間目も終わり放課後、俺、小倉、影鵺で帰る事になった。小倉はともかく影鵺が家に来るのは始めてだ。

家には誰もいないので楽だが、影鵺がいるといつ殺されるか分かったもんじゃない。



自宅前

「お~ここがお前んちか~ へぇ~」

なにそのアニメみたいなセリフ、初めて聞いたわ

玄関を開け中に入る 廊下の奥からものすごい勢いでリキが走ってきた。


「ただいまぁ~リキ~」

いつも通りだ。と思ったが、、、

「オカエリ!ヒロ!」

「きゃぁーーーーーーーーー!!!ちょぉーーーーかわいいじゃん!!!ほれほれ~おいでおいで~」

「...」

「...」

小倉と俺は目の前の光景に絶句した。

リキがしゃべったことよりこっちの方が驚きだ。

普段の面影など一切なかった きっとこれが彼女の本来あるべき姿なんだろう。

とりあえずリビングに入る。


俺と小倉はいつもどおり座る。

俺はソファー、小倉は椅子 さぁー影鵺さんはいったいどこに座るのでしょうか?

「よーちよーちいいこでちゅね~」

もはやお母さんだぞ。 そしてどこに座ったかというと...

「隣座るぞー」


そう俺の隣に座りやがった。 これが普通の女の子ならどんなに幸せだったことか…

隣にいるのは野獣の魂を憑依させた女だ、油断できない。

そんなことを思っていると椅子の住人である小倉がつぶやく。

「んで、なにする?」

まったくだ、何すんだよ俺と小倉だけならPS3とかで対戦してるが今日は影鵺が一緒だ。


こういうとき何をすればいいか俺にはちゃんと分かっている。

「なぁ、暇だしトランプでもやろうぜ!」

そう言って俺は学校のバックからトランプを取り出した。そう!こんなときこそトランプが役に立つのだ!今はちょうど三人、ばば抜き じじ抜き 神経衰弱 暇つぶしにはもってこい!


「おぉいいねぇ~やろやろ~ (ナイスだヒロ!)」

「ほほぉートランプか、まぁやってやってもいいけど罰ゲームありにしようぜ!」

影鵺がさらっととんでもないことを言い出しやがった。この場において罰ゲーム...


俺と小倉は当然組む! たとえどんなことされてもどちらか一人が勝てば俺らの勝ちも同然だ。

「んじゃばば抜きにするか〜 んで罰ゲームはなんにすんの?」

俺は影鵺に問う。

「それはね...」  

リキを放すとなにやらバックから取り出し俺たちに見せてきた。


「まずはこの契約書にサインしな」

「「はい?」」

はもった どれどれ内容は...


ーー 契約書 ーー

①私は勝負に負けた際にはいかなる罰、命令等により障害、傷症は自己の責任とします。

②なお、勝負に勝った場合は相手に必ず罰を与えます。

③罰の期限は全員合意の上で決めること。

④ルールは私が決める。



なんだこりゃ...   最後の④何だよ...

「さぁ、私はサインもうサインしたんだから、お前らもサインしな!」

「いかなる罰って… 影鵺さん本気?」

小倉の質問に影鵺は…

「本気だよ、まぁ私が勝ったら…とりあえず焼き入れるか」


やばいなこの状況…こいつ女のくせに焼きとか普通に言ってやがる。

これだけは確認しなければならない。

「なぁ影鵺、お前がもし罰受けても俺たちには何もしないって誓えるのか?」

俺の質問に影鵺は即答した。

「誓える!」


これはどうしたものか…

「小倉、作成会議だ」

「おう」

俺たちはリビングを出て廊下で作成会議をした。

2分後…


「よし!サインは済んだな、んじゃあ何する?」

影鵺の質問に小倉が答える。

「そーだな、ばば抜きにしようぜ、な!ヒロ!」

「そうだな そうしようそうしよう」


俺たちには作戦がある。

この会話もその作戦の一つだ。俺と小倉で意気投合して流れが出来ればあの女は必ず話に乗る。


「そんじゃばば抜きにすっか! 負けたらちゃんと罰ゲーム受けろよ」

乗ってきた! この場合のセリフも決めてある。

「こっちのセリフだ」

ちょっとアニメのワンシーンのような気分を味わえた。

「んじゃカード切るな」

そういって小倉がカードを切る。 これも作戦だ。


影鵺がルールを説明する。

「んじゃルールは~... 最初に抜けた奴が罰ゲーム決めるってことで! んで2番目に抜けた奴は1番目に抜けた奴の下僕な。最後のばば持ってた奴は1週間の罰ゲームな。罰ゲームは勝負終わってから決める。」

「下僕って何すんだよ」

一応聞いてみる。

「1番目に抜けた奴にジュース買わされたり、宿題やらされたり、調教されたりかな~ 下僕っつっても用はいじめられてればいいんだよ」

ごくり  怖いよこの人!女じゃねぇよ!


小倉はカードを切り終わった。

相手に絶対カードを切らせない、渡すカードはこちらが選ぶ。

とりあえず上からカードを取り俺たちに配る。

勝負START!




翌日

ピンポーン! ピンポーン! ピンポピンポピンポピンポーン‼

「うるせ〜なぁ、 はーい」

「よっ!」

影鵺が俺を迎えに来た。後ろには口にガムテープを貼っている小倉が…


「準備出来てるか? 早く学校行くぞ〜」

「へいへい」

5分後、3人で学校へ

さてみなさん、何故今こんな状況になっているのでしょうか。



遡る事約13時間前... 

なかなかカードが減らずかなり長く勝負をしていた。

時計の針が午後5時に差し掛かったところでやっと、4~5枚に減った。


影鵺4、俺4、小倉5

皆、手札が少なくなってきたので、カードを引かれる前にシャッフルなどしていた。ここまでは普通にばば抜きできていたんだ。


俺はばばを持ってないので、おそらく小倉か影鵺が持っているんだろう。


その数分後...


「やったぁーーーーー!!!あがりぃ!」

影鵺の奴あがりやがった。そして再びリキを抱いてソファーに深く座った。

「ヒロキ!ここからは真剣勝負だかんな」

「うい」

小倉と俺の真剣勝負が始まった。



「よっしゃぁ勝ったーーー!!」

「あ...」


そう俺は負けた。



そして今に至るのだ。

「ところでそのガムテープどうしたんだ?」

「こいつに何させるか思いつかなかったから、とりあえず貼って見た」

「んじゃ俺は何すればいいの?」

「そーだな〜 うーん…」


もう昨日のうちに覚悟は決めた。何されても俺は心の準備は出来ている!


「とりあえず影鵺じゃなくて、普通にミカとかにしてよ…なんか影鵺って呼びずらそうだし」

「一応確認ですがそれは命令ですよね?」

「そうだけど?なんで?」

「いや、女子が自分から下の名前で読んでなんて頼むのはもはやラブコメの序盤みたいなんで…」

「あんたオタクだったんだ……」

気のせいだろうか、その目から哀れみを感じる…



確かに人より多くアニメ見てるし、詳しい。オタクになりつつあるのも自覚している。

でもやっぱ人からオタクって言われるとなんか悲しくなるな…



「じゃあ、とりあえずヌエさんにしとくよ」

「よろしい、んじゃ校門まで荷物持って〜」

そう言うと俺に小倉のバックを預ける。

「なんで小倉のバックなんだ?」

「だって学ランで何も持ってない奴が口にガムテープ貼られて歩いてたらウケるじゃん! プラス精神攻撃な」



怖い…何が怖いってこの女、

<中学生ーバック+ガムテープ=周りからの冷たい視線>を理解している。よく考えれば誰にでも分かるが、朝学ラン着た中学生がバックも持たずにガムテープ口に貼られて歩いてたら、「何あいつ〜」となるんだ。


しかもそれを知ってるうえでこれをやるとか残酷すぎだろ…

ヌエさん怖いよ…



まぁ罰ゲームなので仕方なくそのまま学校へ。

その日の罰ゲームは、対した事なかった。

給食片付けたり、ノート移したり、バック持たされたりとごく普通だった。 罰ゲームを一週間受ける俺よりも今日一日の小倉の方が可哀想だった。


帰り道、またもや3人で帰った。

今度は俺がヌエさんの荷物持ち。小倉はグラサンとマスク…

可哀想だからやめてあげてください。ほらなんかグラサンごしに涙見えるよ?


「あの〜俺はいつまで下僕やればいいんだ?」

小倉がヌエさんに問う。 俺もそれは気になるな…

「え? あ〜確かに…どぉ〜しよ…」

考えてなかったのかよ

「そぉーだなーーうーん…とりあえず私が帰るまででいいや」

「よっしゃぁ‼」

「やっぱお前が帰るまでな」

「そ、そんなぁ…」

一言多かったな…小倉。




数分後、ヌエさんの家に着いた。




次は27日に投稿します

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