*ユナside* ブレスレット
私が食事をしていると話をしながら、ミヨとノエルが来た。
「あっユナ!一緒に食べていい?」
「もう食べ終わったけどいいよ」
ミヨが私の向かいに座ってその隣にノエルが座る。
「なんで二人は一緒?」
「さっきそこでバッタリ‥‥ね?」
ノエルは、口に食べ物を入れていたので頷いただけだ。
「暇だから飲み物でも‥‥ん?」
立ち上がろうとした時、私のポケットからブレスレットが落ちた。確か昨日拾った‥‥。
私は、ブレスレットを拾い上げた。それを見ていたミヨが首を傾げる。
「それ何?」
「昨日拾ったんだ。誰のか分からないけど‥‥」
もう一度ポケットに戻して私は、飲み物を取りに向かった。
「一体誰のなんだろうね?」
食後のデザートを食べながらミヨが、不意に聞いてきた。
「私も気にはなっていたけど‥‥とりあえず荷物名簿とか調べて見るよ」
「じゃあ私も手伝う!」
私とミヨは、早速名簿を調べに向かった。
パラパラと名簿を順番にめくって行く。何しろ量がとてつもなくあるので調べるのにも一苦労。
ブレスレットなどのアクセサリーは、小物類に振り分けられる。
「あったよ」
ミヨが開いた名簿を持って私の所へ歩いて来た。そして名簿を私に見せる。
「このブレスレット‥‥」
「どうしたの?」
ミヨが隣から覗き込む。
「ちゃんと見てなかったんだ‥‥このブレスレット、今日までに届けないとダメな荷物みたいだよ」
「ええっ!じゃあ‥‥私達が届けるしかないんじゃない?」
「言うと思った、行こう」
名簿を仕舞ってからから私達は、ブレスレットを届ける事にした。
少し歩いた所でミヨが聞いてきた。
「届ける人ってどんな人なの?」
「本当に名簿、ちゃんと見てなかったんだね」
私は、ため息を吐いてから立ち止まり、近くの木にもたれ掛かる。
「これから届ける人は、シイラって言う女の子。遠くに住んでいる母親からの誕生日プレゼント。丁度今日が誕生日みたいだよ」
「それ‥‥暗記したの?すごいね」
「関心してないで‥‥今日中に届けられなかったらどうするんだよ」
私がそう言うとミヨは、青ざめた。
「‥‥届ければ問題ないでしょ?」
ミヨは、笑ってそう言うと先に歩き出した。私は、ブレスレットを入れた箱を眺めてから少し遅れて私も歩き出した。
ドアをノックすると中から女の子が出てきた。私が包みを見せると女の子の顔が明るくなる。
「お母さんから?」
「そうだよ、開けて見たら?」
女の子は、コクンと頷くと包みを開けて中からブレスレットを取り出した。そして首を傾げる。
「手首につけるんだよ」
ブレスレットを女の子が渡すので私は、つけてあげた。
「ありがとう!お姉ちゃん!」
満面の笑みで女の子がそう言ってからドアを閉めた。
「シイラちゃん、喜んでたね」
鼻歌を歌いながらミヨは、言った。私は、ミヨを見る。
「うん‥‥良かった」
「でも残念だなー」
「え?」
私は、思わずミヨを見つめた。
「偶然、彼に会えたりしないかなって」
――――――――やっぱりミヨは‥‥でも今は推測だけだ。確信を持ってからにしよう‥‥確信を持ってから‥‥‥。