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気になる相手?

何故身長が縮んだんだろう?でもノエルが低い方がいいって言ってくれたからもう気にしないけどね。


それより気になるのは、ユナの事。


よく見ていないと気がつかないけれどスバル君の事をユナは、よく見つめてる。


好きなのかと思えば、そうでもない感じだし……なんで見つめてるんだろう?


私が首を傾げているとノエルが隣にやってきた。


「どうしたんだ?首傾げて」


「うん…ユナがなんでスバル君を見つめてるのか分からなくて……」


「好きなんじゃないのか?」


「好きならあんな事する?」


私は、肩をすくめてユナを指差した。その方向にノエルは、視線を移す。


ユナは、スバル君の前にバナナの皮を置いて転ばせようとしている。


「随分古典的なやり方だな」


「あれ、外側を下じゃなくて内側の皮を下にすると滑るんだよ」


「く…詳しいな?」


「だって試した事あるもん。危うく頭を地面にぶつける所だった」


でもなんでそんな事をユナはスバル君にするのか全く分からなくて……照れ隠しって訳じゃないんだよね。恨めしそうにスバル君を見つめてるから…。


「うわっ」


「あ……スバル君、滑った」


「本当に滑る奴なんているんだな」


ノエルは、関心したように何度も頷いていた。



所変わってただいま食堂。目の前で食事しているのがユナでその隣にノエルが座っています。


え?そこは、スバル君が座るんじゃないかって?そんな事したらユナにまた何かされちゃいますよ。


そんな訳で私の隣にスバル君が座っているのです。


「なんでユナは、スバル君にイタズラみたいな事するの?」


「別に」


「やっぱり好きなんじゃないのー?」


「じゃあミヨは、ノエ「ユナ!自分を棚に上げずに答えなさい!」


あっぶなー……本人の前でバレる所だった……。ユナ…とことん答えないつもり?


それならこっちだってねばって見せる!


「さっきのバナナの皮で頭打ったんですよ」


怒らせるとユナが怖い事を知っているのか、スバル君は目を逸らしながら言う。


「転ばせてどこかぶつけさせる為に置いたからね」


「なんでスバル君にこんな事するの?」


「別に」


そう言ってユナは、また食事を続けた。最近何を聞いても理由が分かりそうな問いには「別に」としか答えてくれない。


でも意外だったのは、スバル君の問いに答えた事だった。どうしてあんな事をしたの?と聞いても全然答えてくれなかったのに……。


「どうして僕にしてくるんですか?」


私と同じ質問をスバル君は、する。さっきユナは、答えなかったんだからこの質問にも答えないと思うんだけど。


「不幸少年に仕立て上げればミヨも近づかないと思ったんだよ」


「なんで私?」


と言うか……ユナ、なんでスバル君の質問には答えるんだろう……。益々怪しいぞ。


「この前の発言……私は忘れたつもりないから」


「ノエル君の味方をするんですか?」


「私は、いつだってミヨの味方だから……スバル君が誰を好きになろうと気になろうと、それは本人の自由な訳だし…」


「じゃあ尚更、イタズラは止めた方がいいんじゃない?」


話の流れが全然読めないけど、とりあえずスバル君へのイタズラを止めさせるチャンスかも!


「それもそうだね」


意外にもあっさり言うので私は、少し不安になった。すると、ユナは続けた。


「ただ……」


「ただ?」


私は、首を傾げてユナに聞く。


「ただ……イタズラ成功した時のスバル君の驚いた顔が……」


私たちに背を向けてユナは、爆笑していた。笑い声が少し漏れているし、体が小刻みに震えていた。


「ユナも爆笑するんだな……」


ノエルは、唖然として隣で笑うユナを見て言った。


「私もビックリ……」


「笑ってる顔…見たくないか?」


視線を私に移してノエルは、言った。私は、もちろん頷く。


「見たい……」


けれど、そう言った時にはもうユナがいつもの表情でいた。相当おかしかったのか若干涙目になっている。


涙を目に溜める程面白かったんだ……。ユナは、わざとらしく咳払いをした。


「とにかく……負けるなよ。ノエル」


ユナは、ノエルに向かってそう言った。ノエルは、当惑してとりあえず頷いた。


私とノエルは、話の最後にまた首を傾げる事になった。


一体何にノエルが負けないように言ってるんだろう?





                                           続く

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