気になる相手
*ユナside*
朝
ミヨは、ずっと彼‥‥スバル君を見つめていた。ミヨの向かいに座っている私は、呆れて溜め息を吐いた。
「ノエル君、ミヨは一体何十時間彼を見ているのですか?」
「君付けと敬語って‥‥完全にキレる寸前じゃないか、ユナ」
「ミヨ‥‥」
試しに呼んでみるけれど反応は、なし。なので戸惑っているスバル君を睨む事にした。
「あっあの‥‥僕何かしました?」
「いや、あれはミヨへのヤキモチの怒りがスバル君に移っただけだ」
「そう‥‥なんですか‥‥」
絶えかねた私は、ミヨの腕を掴んで引っ張る。
「ユナ、何?」
「ミヨ‥‥スバル君が困ってるでしょ?」
「えー?だって飽きない顔なんだもん」
ミヨは、頬を膨らませて不機嫌な顔をした。
「訂正、ユナなりの気遣いだったらしい」
「分かりにくいですね‥‥」
「ユナは、基本なんでも分かりにくいんだ」
「そこ、私語するな!」
私は、そう言ってからミヨにまた視線を戻した。そしてある事に気づいた。
「ミヨ‥‥身長縮んだ?」
「ええ?そう?」
「ちょっと測りに行こうか、四人で」
「俺たちも強制か‥‥」
私は、なぜか俯いているノエルに首を傾げてから私たちは、医務室へと向かった。
身長を測る奴|(名前は、分からないけど)でミヨの身長を測ったところ‥‥。
「ミヨ‥‥153cm‥‥だって」
「うそーーーー!!」
「なんでそんなにショック受けてるんだよ‥‥」
私は、ノエルの肩に手を置いた。
「ミヨ、この間まで157cm位あったんだけど‥‥」
「つまり3cmも縮んだのーーーー!!うわーん」
「泣いてる所悪いけど縮んだの4cm‥‥」
ミヨは、784のダメージを受けた。すばやさが89下がった。
「なんでRPG風なんだよ」
「とにかく縮むとは、私もミヨも予想できなかったんだよ」
隣でミヨが何回も頷く。そして何か思いついたように笑った。
「ついでだから三人も測りなよ!」
「誰か一人位縮んでるんじゃ?なんて期待しない方がいいよ」
「うっ‥‥そんなんじゃないもん」
あからさまに目を逸らしたから図星だな。
「しょうがないな‥‥じゃあノエル・スバル君・私で測ろうか‥‥」
順番に測っていき、こんな結果になった。
ノエル 前169cm→今173cm
スバル君 前は不明→今170cm
私 前161cm→今163cm
ミヨ 前157cm→153cm
「やっぱりミヨ縮んでる‥‥」
私は、急に心配になりミヨの頭に手を置いた。
「ユナは、背高くていいね?」
「高くていいわけではないけど、いいのか?」
「俺は、小さい‥‥低い子の方が好きだけどな」
「え?本当に!」
ミヨは、勢い良くノエルの方を向く。
「なら低くても悪くないかも‥‥」
「なんか言った?まあ背の高い奴よりはマシ‥‥」
「それ‥‥特定の誰かの事言ってない?私とか」
私は、わざと聞こえるように音を出した。
「でも低くても気にするなよ!」
「うん。ありがとう」
私が話す二人を見ていると誰かに肩を叩かれた。
「スバル君‥‥何?」
「ミヨさんは‥‥ノエル君が好きなのですか?」
「んー?分からないけど‥‥」
私は、楽しそうに話す二人を眺めながら言った。
「気になる相手ではあると思うよ?お互いに」
「じゃあライバルになりますね」
「え‥‥?」
ライバルになりますねって‥‥。
まさか‥‥スバル君‥‥ミヨの事?