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素顔と新入り

*ユナside*  です。

ミヨの粘りに負けて‥‥私は、結局仮面をメリルさんに頼んで新入りとして入れてもらう事にした。メリルさんは、面白そうだからいいわよなんてノリで言うし‥‥。


それにあいつ仮面が名前みたいになっているけれど、それは今日で終わりになるだろう。


ミヨがまたあの粘りで名前を聞き出すだろうから‥‥。


「ねえ、名前なんて言うのかな?」


「早速それか‥‥聞けば教えてくれるんじゃない?」


「私よりユナの方が迫力あるから聞きだせるよ!」


「聞くだけなんだよ?脅す訳じゃないんだから」


一体ミヨは、私の事をなんだと思っているんだろう?


私たちが食堂に入ると早速新入りの話題で持ちきりだった。


「おいっ聞いたか?新入りの話」


「新入りを連れて来た張本人、私たちだから」


「本当か?で、どんな奴だよ」


「噂の仮面さん!!」


このミヨの一言で食堂内は、沈黙。確かに間違ってはいないけれど‥‥みんなのは当然の反応だ。


「みんなー、新入りを紹介するわよ」


メリルさんの一言で全員がそちらへ注目した。ミヨが目を輝かせて見入っていたのは、言うまでもない事だろう。


ここで運び屋の制服を紹介しておこう。本当に突然だけれど。


女性の制服は、基本学校の制服っぽいもので上は、紺のブレザーかクリーム色のセーターに白ワイシャツ。リボンも付けるらしい。下は、スカートだけれど色は、自由。


ミヨは、クリーム色のセーターを着ている。少し大きめなのか指先しか出ていない。そしてスカートとリボンは、ピンク。ワイシャツ・スカート・リボンには、フリルが付いている。靴は、普通に白とピンクのスニーカーだ。


「いいんですか?」


メリルさんに聞いたところ‥‥。


「可愛いからいいじゃない」


危うく自分の服にまでフリルを付けられそうになった。


私は、紺のブレザーを着ている。時々ブレザーをミヨに隠されてサイズが大きい袖ブカブカのセーターを着せられる。そしてスカートは、群青色。スカートは、嫌だと言ったけれどメリルさんの押しに負けて‥‥けれど群青色のネクタイは、了承してもらった。靴は、茶色のブーツ。暑くないのかと毎回ミヨに聞かれる。


男性の制服は、25歳まで学校の制服っぽいものだ。上は、紺のブレザーかグレーのセーターにワイシャツ、そして紺のネクタイ。下は、限りなく黒に近い灰色かグレー。


26歳からの服装は、特に自由で運び屋の印としての紋章が入った手帳を見せる事になる。面倒臭いと26歳からの人が嘆いていたがそれは、いいとして‥‥。


ノエルは、グレーのセーターでネクタイをしていない。それでよ前にメリルさんが「ネクタイなしも私的にはアリ」と言っていたのを聞いてしまった。下は、限りなく黒に近い灰色。靴は、黒と白のスニーカー。


「仮面さん‥‥かっこいい」


ふと、ミヨが呟いたので私も見た。


彼は、紺のブレザー‥‥または、グレーのセーター。隣で微笑みながらメリルさんが持っていたので‥‥たぶんアレも着せられる。ノエルと違って彼は、きちんとネクタイをしていた。下は、限りなく黒に近い灰色で靴は、黒と灰色のスニーカー。


まあ、大体の人は動きやすいからとスニーカーを履く。


「そういえばノエルの髪って何色だっけ?」


「灰色。あいつは、黒なんだな」


いつの間にか隣にノエルが立っていた。そういえば‥‥も髪が黒だった。私は、無意識にポケットへ手を入れていた。


「私は、ユナに聞いたんだけど‥‥」


「いいだろ、俺でも」


ノエルは、対抗心を燃やしているのか‥‥。ミヨが好きなの‥‥誰‥じゃないな。どっちなんだろう?


自己紹介が始まったようで全員が仮面に注目した。


「さあ、名前を言ってから仮面を取りましょうね?」


あれは、メリルさん式に言うと「名前言ってさっさと仮面取れよ」と言っている。つまりメリルさんも私たちと一緒で素顔が見たいのだ。


「スバルです。よろしくお願いします」


意外にかしこまっていたのでみんなは、なぜか気を使っている。


「さあ!仮面を!」


メリルさんは、相当みたいのだろう。自分で剥ぎ取りそうな勢いだ。


彼は、それを察したのか仮面を外した。


「素顔もかっこいいーノエルよりも」


「一言余計だ」


「ユナもそう思うで‥‥しょ?あれ?ユナ」


「どこ行ったんだ?さっきまでいたのに‥‥」










うそ‥‥ウソ‥‥嘘‥‥。


「え‥‥?」













似すぎている‥‥髪の色に顔立ちまで‥‥。


いや、私は彼の成長した姿を見てないんだ。ソックリなだけかも知れない。


私の初恋の彼とは‥‥昔に離れ離れになってしまったのだから‥‥。


彼がもしかしたら‥‥なんて期待しない方がいいんだ。


私は、ペンダントを握りしめてから食堂へと戻って行った。





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