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どうやらこの世界は彼女の知る世界とは違うらしい  作者: カヲカヲ


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ギルドに報告にきた


 朝。


 目を覚まし、軽く身体を動かす。痛みは残っていない。


 装備を整え、光とともに宿を出る。


「今日はギルドだよね?」


「ああ。報告しないとな」


 村の中心にあるギルドへ向かう。


 扉を開けると、既に唯が待っていた。


 奥の席で静かにこちらを見ている。


 軽く目配せを交わし、まずは受付へ。


「クエストの報告に来ました」


 ドロップ品を取り出す。


 ドラゴニュートの鱗と牙。


 受付嬢がそれを見た瞬間、顔色が変わる。


「こ、これは……!!」


 慌てて奥の資料と照らし合わせる。


「大変申し訳ありません……!」


 何度も深く頭を下げる。


「討伐対象に誤りがあったようです。こちらの確認では洞窟にいるのはドラゴニルという報告でしたが……」


 震える声で続ける。


「実際にいたのは、その上位種――ドラゴニュートだったようで……」


 ギルド内がざわつく。


「ドラゴニュートは……Bランクモンスターです」


「……Bランク?」


 凛は思わず聞き返す。


 Bランク。


 今の自分の想定より、はるかに上。


「そりゃあ……強いはずだ」


 苦笑が漏れる。


 あの攻撃力、あの硬さ。命がいくつあっても足りない戦いだった。


 その時。


「良くぞやった!!!」


 奥から豪快な声。


 扉が勢いよく開く。


「ギルドマスター!」


 受付嬢が慌てて姿勢を正す。


 大柄な男が笑いながら現れる。


「ドラゴニュートを倒したとなれば話は別じゃ! 本来はCランクへの昇格予定だったが……」


 凛を鋭く見据える。


「凛! 君をBランク冒険者として認めよう!」


 ギルド内がどよめく。


 いきなりのBランク昇格。


「光! そなたはDランク冒険者じゃ!」


「え、わ、私!?」


「これからもギルドのため戦ってくれたまえ! カッカッカッ!」


 豪快に笑い、そのまま去っていく。


 本当に嵐のようだ。


 受付嬢が改めて向き直る。


「それでは報酬をお受け取りください。ドラゴニュート討伐として報酬は増額しております」


 差し出された袋は、ずしりと重い。


「金貨五十枚です」


「……こんなにいいんですか?」


「対価に見合ったものです!」


 金貨五十枚。


 一瞬で大金持ちだ。


「光! 今日はなんでも好きなもの食べていいぞ!」


「やったー! お肉! 甘いのも!」


 無邪気に喜ぶ光。


 報告を終え、凛はギルドの端へ向かう。


 そこに、静かに座っている唯。


 穏やかな表情。


 だが、その瞳は何かを確かめるように凛を見つめている。


 凛は向かいに腰を下ろす。


「……待たせました」


 唯は小さく微笑む。


 その笑みの奥に、言葉にしていない重みがあることを――凛はまだ知らない。

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