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どうやらこの世界は彼女の知る世界とは違うらしい  作者: カヲカヲ


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17/48

洞窟を目指すようだ


 村を東へ抜けると、視界いっぱいに草原が広がった。


 青空の下、風に揺れる緑の波。遠くではラビッツが跳ね、半透明のスライムがゆっくりと移動している。


「ここがニック草原か」


 思っていたより穏やかだ。


 始まりの村の近くということもあり、魔物の気配は弱い。


 戦闘をしていない光にはちょうど良いかもしれない。


「光、戦うぞ!後ろに下がって!」


「うん!」


 最初のスライムを凛が斬る。


 弾力のある感触。だが脅威ではない。


 続けてラビッツを仕留める。素早いが、動きは単純だ。


 パーティを組んでいるため、経験値は半分ずつ入る。


 光は後ろから真剣な目で見ている。


「ちゃんと足運び見とけ。焦って踏み込みすぎると転ぶ」


「うん……って私まだ戦ってない!」


 十体ほど倒した頃。


【光がレベル2に上がりました】


「やった!」


 カードを見て嬉しそうに跳ねる。


「この調子で進んでいくぞ」


「でも私何もしてないー! つまんない!」


 その瞬間、ラビッツが飛びかかる。


「身体強化(攻)!」


「勝手に使うなー……!」


 凛の身体に力が満ちる。


 振るった刃が、空気を鋭く裂く。


 一撃。


 ラビッツが大きく吹き飛び、地面を転がった。


「……すごいな。レベル1でこの上がりよう」


 明らかに攻撃力が上がっている。


 だが、背後からドサッと音。


「光?」


 振り向くと、光が地面に座り込んでいる。


「これ……体力すごい使うみたい……」


 カードを見ると、HPが減少している。


「MPとかじゃなくて体力消費型なのか……」


 強力だが、乱用は危険だ。


「無理するな」


 ポーションを手渡す。


 光は小さく頷き、飲み干す。


「勝手に魔法つかっちゃダメだからな」


「はーーい、大人しくしてますよーだ」


 むくれながらも立ち上がる。


 草原をさらに進んでいく。


 次第にスライムの数が減り、代わりに地面が荒れてくる。


 踏み荒らされた草。


 大きな足跡。


 嫌な予感がする。


 そして――


 草の向こうに、巨大な影が揺れた。


 牙。分厚い腕。棍棒。


「……やっぱりいるのかよ」


 縄張りを無くしたオークたち。


 ざっと見ただけで二十匹ほど。


 まだこちらには気づいていない。


 だが距離は近い。


 風向き次第で、匂いを嗅ぎ取られる。


 光が小声で聞く。


「どうするの?逃げる?」


 凛は短剣を握り直す。


 心臓が静かに速くなる。


「……戦う以外の選択肢は、無さそうだな」


 ゆっくりと一歩前に出る。


「光、下がってるんだぞ」


小さくこくりと頷く。

 

 草原の空気が、張り詰めた。


「よし、行くぞ!」


 地面を蹴り出し、颯爽とオークの群れへ飛び込んだ――

 


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