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どうやらこの世界は彼女の知る世界とは違うらしい  作者: カヲカヲ


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13/47

俺は何に選ばれたのだろう


 闇が霧散した瞬間、眩い光が降り注いだ。


【ランクアップ!】

【ランクアップ報酬を付与します】

【凛のHP全回復】


 全身を蝕んでいた痛みが、波が引くように消えていく。折れていたはずの骨も、裂けた皮膚も、何事もなかったかのように再生した。体の奥から力が満ちてくる。


【凛のランクが2に上がりました】

【職業:魔道化師 に変更されました】


「……魔道化師?」


 聞いたことのない名。だが響きだけで、ただの戦士ではないと分かる。


【スキルを習得しました】


■分身

 自分の分身を1体まで生成可能。

 発動時、体力は本体と分身で半分ずつ分割される。


■複写

 撃破した敵のスキルを3つまで使用可能。


【レベルアップロックが解除されました】


 情報量に思考が追いつかない。


 その時、闇が再び集まり、一人の影を形作る。


「まだまだだが、大目に見てやろう」


 ロギ。


「私は寛大だからな」


 凛はただ立ち尽くす。


「何がなんやらという顔だな。一つだけ質問に答えてやろう」


「……俺は、何に選ばれたんですか?」


 ロギは顎に手を当て、わずかに考える。


「全ては言えん。変える」


「変える?」


「お前は“変えるもの”に選ばれた。それしか言えん」


「答えになってないだろ……」


 ロギは小さく鼻で笑った。


「いずれ嫌でも知ることになる」


 そして指を鳴らす。


 闇が一点に収束し、刃の形を成す。


 現れたのは一振りの短剣。黒曜石のような刃は光を吸い込み、周囲の空気すら重くする。


「合格の褒美として、私からはこれを授けよう。大切に使うが良い」


 短剣がゆっくりと凛の前に落ちる。


 握った瞬間、冷たい感触が手のひらに伝わった。だが次の瞬間、鼓動のような震えが指先を打つ。まるで刃が生きているかのようだった。


【ロギの短剣 を入手しました】


■ロギの短剣

 投擲可能

 攻撃力:極大

 闇属性付与


 “極大”という表示が、異質すぎる。


 軽く振るだけで、空気が裂ける音がした。試しに壁へ向けて振り抜くと、数メートル離れた石壁に深い亀裂が走る。


「……なんだよ、これ」


「その短剣は主を選ぶ」


 ロギの声は低い。


「力に呑まれるか、力を従えるか。それはお前次第だ」


 凛は刃を見つめる。

 強い。だが、どこか底知れない。


「また会う頃には、お前がこの刃を使いこなしていることを期待している」


 闇がゆっくりとロギを包み込む。


「また会おう、凛」


 完全に姿が消えた瞬間。


【システムメッセージ】

【始まりの村エーシンへ転移します】


「え!? また転移!?」


 足元に魔法陣が展開される。


5

4


 短剣を腰に差す。重みはないのに、存在感だけが異様に重い。


3


「始まりの村……」


2


 やっと、普通の異世界らしい場所に行けるのか。


1


 閃光。


 凛の姿は、その場から消えた。

 

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