これ、アウトでは?
あの出来事から4ヶ月後、私は新たな問題に直結した。お腹が膨らんでるし、月経がきてない。もしかして、妊娠しましたか?これはまずいです。いや最近太ったなーとは思っていましたよ?でも最近また忙しかったんですよ。これからどうしましょう。ちょっと休暇とりましょうか。ということで、休暇取りました。サラッと取れましたよ。最近ずっと働きずめだからって取らせてくれました。でもどうしましょう?このお腹、今はまだ太ったで済みますけどそのうちバレますね。うーん。考えものですね。
セレンが休暇をとった。どんなときでもとらなかったセレンが。これは何かあったな。セレンには悪いが、調べさせてもらおう。
「フォレス。セレンに何があったか調べてこい。」
「はっ。」
フォレスは隠密だ。昔、街へ視察に出た時に私の金を盗もうとしたところを俺がスカウトして隠密として雇った。フォレスは気配を消すのが上手くたまに気づかない時がある。
「さて、何を隠しているのだろうか。」
1時間後フォレスが戻ってきた。なんと、セレンが妊娠している可能性があるとの事だ。そしてそれは、私の子である可能性が高い。こうしてはいられない。私はすぐにセレンの部屋へ向かった。
コンコンッ
「セレン。少しいいかい?話がしたいんだ。」
「第2王子様!?少々お待ちください。」
ガチャッ
「どうかなさいましたか?本日から3日間休暇となっておりますが…」
「すまない、セレン。どうしても聞かないといけないことがあってな。」
聞きたいこと?今はあまり第2王子様とお会いしたくないのだけれど…
「セレン。君は私が街で会った女性を知っているかい?」
「っ!?さぁ、私は知りません。申し訳ありませんが、体調が悪いのです。また後日お話しましょう。」
「それは出来ない。今どうしても聞きたいんだ。」
これは、私だとわかっているのでしょう。
―まずい―
「申し訳ありません、本当に体調が悪いのです。移したら大変ですから失礼します。」
そう言って扉を閉めようとした。
ガンッ
扉に足を挟まれた。
「それは妊娠しているからか?」
「っ、中へお入りください。ここでは、話を聞かれます。」
「聞かれてもいいが…まぁ、そうさせてもらおう。」
バタンッ
「なぜ、妊娠していると?どこで変な噂をお聞きに?」
「噂は流れてないよ。」
「ならなぜ?」
「調べてもらったんだ。私の隠密に。」
隠密…
そう、もうバレていたの。
「いつからわかってたんですか?」
「最初からだよ。君は着飾ってたけど、すぐにわかったよ。」
「そうですか。これから私はどうなるのですか?」
それが問題だ。男爵位の私が、将来王になる人の子を孕むなんてどうなるのか…
「僕と結婚してくれ。」
「え?すみません。耳がおかしくなったみたいなのでもう一度お願いしてもいいですか?」
「おかしくなってないと思うよ?僕と結婚してくれ。」
え?え?結婚?普通は婚約からじゃ?まぁ、先に行為をしてしまったから仕方が無いかもしれないけど…
「私は男爵家ですよ?周りがなんと言うか…」
「それさえどうにかなれば結婚してくれるのかい?」「いや、それは諦めてもらうための口実というかなんというか。」
「安心するといい、そのために噂を流したのだから。みなは探しているのは平民だと思っている。だから、せめて男爵でもいいから貴族にと言ってきたよ。ね?心配ないでしょ?」
噂を流していたのはあなた様でしたか。
「すみませんが、お断りさせてください。私はメイドです。そんな私が結婚だなんて…」
「君のお腹の子はどうするんだい?」
「っ!?」
「その子は私の子なんだろう?」
「まだ妊娠したとは決まってません!」
「じゃあ、検査しようか。」
そう言って第2王子様がにっこり笑った。




