五話 写真騒動が再び起こりました
五話 写真騒動が再び起こりました
支払いを済ませて帰ると、また強欲三人衆に急かされる。
「要さん、夜は何かな」
「早く作っておくれ」
「早く早く」
休ませてくれない。仕方がないので、ブラックタイガーの背わたの処理を始める。例によって小人達の会話を聞きながら。
「このままにしてはおかない。じゃないと二人きりになれないもんね」
エスパーダがそんな事を言い、要は照れた。が、周りには不評のようだ。
「姉御、それはまずいって」
「サイズは一人ぼっちなんだぞ」
「そーだそーだ」
その割には悲壮感がなかった。それは救いではあるけれど、おかげでエスパーダがピンチになっている。
「俺達だけでは勝つのは難しぃかと言って人間は頼りには出来ない。見つかる確率が上がるからな」
「でも小人の知り合いなんてもういない……」
サイズの声が落ち込んだものになった。彼女にとってはここで出会った小人達が全てだ。これ以上の増援は見込めないと判断したのだろう。
「一人だけいる。上杉銛……」
「銛は死んだでしょ」
「話は最後まで聞け。銛の嫁だ。言い寄ったアックスは首を斬られそうになった。何でも首刈り剣術なるものを学んだとか」
「そんなのを口説こうとしたのか、俺……」
アックスはショックを受けているようだった。これに懲りて自重してくれると良いのだが。
「そんな人が銛とどこで出会ったんだろ?」
「あいつは秘密主義だったからな。結婚式に呼ばず、事後報告だった」
「私、知らなかったけど」
「人望ってのは普段の行いから来るもんだ。あまり信用されてないんだろう」
「むむ」
「マダムも姉御には当たりが強かったからね」
「あんな写真送っちゃうくらいだから」
多分逆バニーの写真の事を言っているのだろう。あれは要の宝物だ。
「あんな写真?」
アックスが食いついた。
「良いの。あんたは」
「恥ずかし写真だろ。アックスが喜びそうな姿の。要の妹が商品サンプルとか言って見せてきたぞ」
「ホントか? そんな写真あんのか? なあ、なあ」
アックスは目を輝かせて、聞いてくる。能に文句を言いたくなるが、今はいない。
「確かに宣伝のためって画像はもらったけど」
「アックスには見せない」
「という事はエロい写真という事か。くれ」
「イヤだ」
「姉御に言いなよ」
しばらくして、大声が聞こえた。
「エスパーダのエロい写真、俺にくれ! いや、ください」
そこまで徹底されると清々しい。でも答えは分かりきっている。
「ダメに決まってるでしょ。殺すわよ」
予想より、強めの言葉に要は満足した。予定になかったタルタルソースも作ろうと決めた。