戦士リクの家出
オラはリク。ドウホクカイ王国に住む元戦士だ。
楽しかった樹里様やノーナしゃんとの旅も終わり、怖い母ちゃんに引き摺られ、帰りたくもない「我が家」に帰った。
毎日が地獄だっただよ。
母ちゃんは怖い。子供はうるさいだ。頭がおかしくなりそうだっただよ。
そしてオラは遂に決断し、家を出ただ。
目指したのは、あの樹里様がいるマングー王国だ。
勇者様と暮らしているそうだから、転がり込んで世話になるだ。
何でもしますって言えば、樹里様は優しいから、きっと住ませてくれるだよ。
問題は勇者様だ。
あの方は地味な風貌に似合わず、結構陰険だ。
そのうち、毒でも飲ませて始末するだよ。グフフ。
そしたら、オラは樹里様と結婚して……。
ぬおおお! 燃えてきたどー!
オラは必死になってマングー王国を目指しただ。
もう少しで、天に召されそうになった時、目の前の道具屋であの懐かしい笑顔を見つけただ。
「樹里様あ!」
オラは涙を流して、樹里様に駆け寄った。樹里様がオラに気づいて顔を向ける。
おおお! 相変わらず、めんこいなや。
「樹里様あ、お久しぶりですだあ」
オラは涙を拭って挨拶しただよ。
「どちら様ですか?」
樹里様の爆弾がオラの頭の上で爆発して、オラは固まっただ。
しばらくして、オラは目を覚ました。
「あれ?」
何故か、クニに残してきたはずの子供の声がする。
「やっと起きただか、このボンクラ」
母ちゃんまでいる。どういう事だ?
よく周りを見回すと、オラは自分の家で倒れていただ。
「な、なして……?」
オラは訳がわからなかっただ。すると母ちゃんがニヤッとして、
「おめえさの身体に、呪文を書いておいただよ。その呪文で、ここまで飛んで来ただ」
「ほえ?」
忘れてた。母ちゃんは元魔法使い。
「さ、サボった分、倍返しで働いてもらうだよ」
母ちゃんは悪魔のような顔で微笑んだだ。