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勇者初恋の狂気乙女vs魔王ちゃん現代リベンジ!!  作者: 幻想卿ユバール
第一章
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【人なんて大っ嫌い:part2】

「ここからはアダレットこと、俺の視点でお送りするぞ」

「誰に向けて言ってんだ・・・」

佐々木に至極真っ当なツッコみを入れられてしまった。

「鈴木です」

話を戻そう、今日もバイトを終えて疲れていた俺だったが。

なんと姐さん、魔城さんがわざわざカレーを分けたいと言って持ってきてくれた。

昨日はきのこ鍋をごちそうになったのに続けてカレーまでごちそうになるなんて。

気が向いたらが意外と早くて良かった。

「なんか、すいません・・・2日もご飯頂いて」

「いえ、なんとなく食うかなって、君なら」

相変わらず読みづらい真顔だが今日もお美しい・・・。

「あの、話を遮るようでもうしわけありませぬのだが・・・」

「誰だお前」

俺がせっく目の保養に見とれていたところにこのクソ妖精は。

小説に4キャラも出ると誰がしゃべってるのかわかりづらいんだぞ貴様。

「(どっちの目線も物騒ですわ・・・)そのカレー魔王さま入ってませんよね?」

「ッ!!」

俺は妖精の鋭い指摘に思わずハッとなる。

その時、姐さんは養豚場の豚を見るような眼でクソ妖精を睨み言う。

「・・・貴方の様に勘の鋭い子は嫌いよ」

「イィィィィィヤッ!!やっぱりィィィィィイイ!」

「嘘よ」

嘘だった、大げさに反応するから本当のなのかと思った。

「もうダメだ~!みんなカレーの具材にされてしまわれてカートリッジに入れられちゃうんだ~!」

「そんなことないわよ」

「嘘だッ!!」

「この目が嘘をついているように見える?」

姐さんの眼がぐるぐると狂気を感じさせる赤と黒を描く歪んだ瞳になっていた。

「なんと・・・素晴らしい・・・」

「お前いかれてるよ」

「ご主人様~!!コイツ絶対に私達も一緒に始末するつもりなんだから魔王虐待の口封じだ~」

前回、魔王ともどもボコボコにされているせいなのかすっかりヘタレている。

もう少しクソ生意気なやつだと思ったが、こうもヘタレなのは初めて見たかもしれない。

「まあ、落ち着けよ、魔王はこの場にいないが、きっとすでに死んでいる」

「お前その発言になにかおかしいと思わないのか?」

「カレーは純粋に作られたものだよ、きっと」

「どうしよう、謎回答になっている、カブトボーグだこれ」

同情する同情は同情とは言わず、同情する同情を同情と言う。

カブトボーグ104,000話にも人の善意を怪しむ者はろくでなしと言う言葉がある。

「魔城さんが作って来たカレー、食ってみてるしかないだろ」

「・・・そこまで言うなら」

「これ小説として成立してるのかね、勇者」

「さっきからどうした佐々木、立派な小説だろ、ちゃんと俺目線の説明も入ってるし、だいたいなろうなんてこんな小説ばっかだろう」

「ちょっと黙って、これ以上敵を増やさないで、そしてこのサイトで純粋に頑張る人に謝って」

勢いのままとんでもない発言をしてしまったことにとても後悔。

してもいいが、しないでおこう。

話が長くなり、1日の更新分の3,000文字のうち1,000文字以上をくだらない茶番に使ってしまい、申し訳ない。

俺達はこの後、全員分のカレーを用意して食べることにした。

「美味い!美味い!」

「安易な鬼〇ネタはキツいぞ、佐々木」

「鈴木だよ、君は何回ボクの名前間違えるつもりなんだ」

「(1日に)十回は言いたいですね」

「〇滅なの?それともギャグマンガ日〇なの?」

「姐さんも詳しいっすね」

「なんとなくね」

会話にしてもまるでサークル活動の昼飯みたいなくだらない会話。

小説でここネタにするべくきなのか迷ったけど、流れ的にしょうがないよね。

「・・・もっと絵を描くスピードが速ければ漫画も狙えたのに」

「そういうな勇者、絵本と1日1枚九〇様とみやちゃん描いてたら普通に体力足らん、俺死んでまうストーリー」

「思ったんだけど今日、パロディ多くない?大丈夫かこれ、見てる人面白い?」

なんてことだ、こんなパロディだらけでは書籍化した時に出版社が頭を抱えてしまうではないか。

「出版社はこんなクソみたいな小説見向きもしないですから大丈夫ですよご主人様」

「なんだとぉ」

「更新して8回しか見られてない時点で気づくべきだな勇者」

「パロディが多くなった次は自虐ネタか貴様ら!!」

クッソ、こいつら作者の微妙なモチベーションの事情暴露しやがって。

言ってないだけで反応なかった時が一番辛いって言ってんだろ!

※キャラクターを盾に使ってあれこれ言うをお許しください。

佐々木だって自分の小説が感想1個も書いてなくてガチへこみしてんだぞお前。

「さらっと俺のこと暴露するのやめてぇ!?」

「賑やかね」

『えっ?』

と、突然、また冷たそうな目と声で俺達に向けてたった一言告げる。

「・・・ごはん食べる時っていつもこんな感じなの?」

暑い夜の空気が少し凍り付くような感情が彼女から感じた。

ただ、その一言に俺は頭をかきながら答えた。

「まあ、俺はコイツらのハチャメチャとドタバタについかなきゃならないしな、最近は慣れっこっていうか」

「勇者も妖精さんも面白いやつだし、俺はこの感じ好きだよ!」

「私は正直お二人の馬鹿っぷりについていけないですわ」

『お前が言うな!』

思わずクソ妖精の一言にツッコみをいれたくなった。

「さっき、信じられないって妖精さんが言ってたわよね」

「んえ?」

姐さんはこっちの空気を構わず自分のテンションで話し続けた。

低く、楽しいとは程遠いような、落ち着きはあっても、感情はあるのかないのか。

「人って自分の考えてることしか分からない傲慢な生き物、自分の欲望の為ならどこまでも薄汚くなれる、本性をむき出しにして生きている人なんていないんじゃないかなって」

重く、その言葉はまるでたくさんの人を見て来たかのような言葉。

俺はその言葉に対して、こう言った。

「姐さんは・・・ここにいる人たちも信用できないですか?」

「さあ、ただ今まで見て来た人よりはマシってだけ、私は人のことを好きになるのも嫌だし、誰かを信用するのも嫌、できることならこの先の人生はずっと孤独でいい」

「でも、俺は姐さんと仲良くなりたいっス・・・」

「勇者ァ・・・(命知らず・・・)」

「(ご主人様は昔からKYですから・・・)」

「仲良くなるっていうのはね、考えることが分からない同士が互いに傷つけ合う、呪いの言葉よ、気安く口に出さないでくれる?」

痛恨の選択ミス、バッチリ悪い印象を与えてしまったようだ。

姐さんは静かに冷酷かつ辛辣な言葉を吐いて、立ち上がる。

凍り付いたこの部屋を後にするように、玄関の扉を開けて出ていく。

「・・・じゃあね、勇者さん」

「・・・」

「もう次はないと思うけど」

ガチャン。

静に家の扉が閉まって姐さんは去ってしまった。

「うそでしょ、これ本当にコメディ小説の展開?」

「なんなんすかねコレ」

「勇者くん、大丈夫かい?お茶飲む?」

妙に気を使って来る佐々木の一言がなんとなく心に響く。

「フラれるって辛いな」

「まだ、告白もしてないのになにを言うか、ラブコメはこれからやぞお前」

「諦めたら試合終了ですよご主人様!」

「なんで急に優しくなるの?ちょっと泣きそうになるからやめろ」

姐さん、あんま楽しくなかったのかな。

確かに自由奔放てきなうちのムードは他人に受け入れがたいのかもしれない。

この流れ自体、読者がそもそもついていけてないのだから。

「ていうか、ご主人様、あの人のことそんなに好きなんですか?」

「ファン・・・」

「アイツ、趣味最悪じゃないですか、その上血なまぐさいし、暴力ヒロインで人との関りも拒絶している、人間として最悪ですよ、そんな女のどこに惚れたんですか?」

まあ、他人から見た時、姐さんの印象って最悪なんだろうか。

ただ、俺はその時、そう言われてもこう言うしかなかった。

「・・・わかんないけど」

「けど?」

「好きなんだよ、なんとなく」

「めちゃ浅い・・・」

姐さんが人を拒絶する理由を考えていて、なんとなくそれ以上の理由が思いつかなくなっていた。




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