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勇者初恋の狂気乙女vs魔王ちゃん現代リベンジ!!  作者: 幻想卿ユバール
第一章
4/14

【第一回目から魔王倒されるってマ?:part3】

「3話目ですが」

「3話目ですね」

佐々木と確認してしまった話の展開の遅さ。

「鈴木です」

どうしたことか、まだタイトルも1話目のヒロインも回収しきれていない。

ヤバい、やはり1,000文字だけでは展開に限界がある・・・。

「3,000文字でいいんじゃね、1日1枚」

俺は思わず作者に意見する。

「それ、アイドルモノでやろうとして頭抱えたパターン」

だが佐々木は一度ドツボにハマった作者の事情を暴露する。

「やってダメだったら才能がなかったということで・・・」

「やるって言ってできなかったら、才能以前の問題ではなかろうか」

元も子もないこと言ってしまう。

とはいえ、思い付きで初めて継続力のないのはユバール特有のやる気のなさと。

その時のモチベは凄いが想像の中で完結してしまうと文字に起こすのが面倒という。

つまり頭の中にストーリーは構成してあるが、それを実際に読者に届けることができない。

なんというか、執筆者として死んでいる・・・。

「この世界もあと何日で打ち切りに入るかな・・・」

「カップ麺食う前になんて寂しいこと言うんだ君は、もっと楽しいことを考えろ」

佐々木の・・・いや、これ毎回佐々木って言ってるけど。

読者に佐々木のことは伝わっているのか、やはり目線セリフくらいは。

鈴木と言っておくべきか、まあ、どっちでもいいか。

鈴木は少し不満げな顔つきで言ってきたので俺はこう答える。

「たとえば」

「目線セリフ長いうえにお前わざと佐々木って間違えてるだろ」

「たとえば、どんな面白い話があるんだ売れない小説家」

「売れないは余計だよッ!お前ッ!」

鈴木健太郎、言い忘れていたが彼は売れない小説家である。

本にはなるけど毎回面白いんだか面白くないんだかわからない謎の本を作ることで有名で。

ニッチなファンはついているが、反面文庫の売り上げには全く貢献していない。

「親の鈴木巧はクッソ面白い児童文学小説家なのにどうして親と子でこんな・・・」

「それはあれだな、親が必ず子供の才能を引き継ぐわけではないというところだな、武器の強化も失敗がある、それはファンタシースターオンラインの様に」

「あんな90%を失敗させるやつと一緒でいいのか貴様」

「好きなモノ書いて、好きなように生きる、俺の好きな言葉だ」

ヤバい、佐々木との会話で忘れていたが、もう800文字来ている。

こんな調子では全然話が進まない。

だが、こんなこともあろうかと、今回は3,000文字にしたんじゃないか。

こんなくだらない会話を長々とするから全然話が前に進まない。

つまり、もう俺のタイミングでフラグを回収してしまおう。

「鈴木」

「あい」

「1話目のあのシーン回収するために俺はもう話進めるけどいいよね」

「いや、俺は別にいいよ、なんかお前が誰かにコントロールされているかの如く無駄な話ばっかするからさ、ていうかここまでの会話とかってちゃんと繋がってる?話として成立している?」

「そういうのもういいから、それがもう逆にこの1話1話を長くしてるんだよ、佐々木」

「最初言えてたじゃん!なんでまた佐々木に戻ったの!?俺が話長くしたから!?」

「だからそれもうやめて!とりあえずメタなこと言わないで!そしてボケるな!」

「俺に死ねと言うんだな!?」

「うん」

「ひどい!」

なんとなく後半の会話は奴の胸倉をつかみグラグラと揺らして会話してしまった。

ていうか、あれだよ、もう2話も連続でこんな野郎二人の男子高校生レベルのクッソしょうもない会話何話も何話も見せてたまるか。

初見の読者がこれ読んでそっ閉じ余裕なんだよ。

ただでさえ面白くないギャグとわかりづらいパロディをこれ以上続けてたまるか。

「勇者様はダメだな~そういう貴方の説明セリフもこの尺をグダグダさせている原因なんですよ」

「・・・この声は」

ズルズルズル。

俺の近くでうどんをすする音がする。

「冒頭のくだりからここまでの展開完全にいらないじゃないですか、読者をひきつけるにはもっと面白くサクサクとした展開を好みます、文字だけでは何も伝わないしなにしているか伝わりづらく、誰がしゃべっているのか分からないので、こういうのはもうザッてやってガっていかないと、1話目からトラックで轢いて異世界転生するわけでも、1話目からガンガン人が死ぬわけでもない話題性のない小説なんですから、さっさと展開しまょうご主人様・・・ンズルズル」

天使の輪に白髪のセミロングヘアー、少しブかっとした白いローブのような衣装。

キラキラと輝く綺麗な瞳、コイツは俺の異世界時代の相棒ファン・イエン。

今こいつは膝の上にくつろいで俺のカップ麺を・・・。

「何喰ってんだテメェーーッ!!」

思わず猫をつまむ様に背中の服を持ち上げる

「腹が減ったので」

「そこに飯があったからみたいなこと言いやがって・・・ていうか説明なげぇんだよクソ妖精!!」

「2話目までいなかったのに突然現れたな、ファンちゃん・・・ンズル」

しれっと何事もなく佐々木は自分のカップ麵食ってるし

「1,000文字だけでは無理があると結局出せてもらえなかったのです・・・ズルル」

コイツは食うのやめないし。

「お前は異世界時代からロクな奴ではないと思っていたから早々に縁切りしていたのについに現代にまでついて来やがって・・・ッ!!」

「いや~、たまたま一緒にいたら巻き添えくらったというか~、ほかに行くところもなかったのでとりあえず正樹さんのところに一緒に世話になろうと」

テレテレと表情だけ見れば可愛いマスコットのような笑顔だが。

コイツの性根は腐っている、俺はこんな奴と一緒に暮らしたくなかった。

異世界で転送する前、たまたまコイツが一緒にいて、同じ場所に飛ばれてしまった。

異世界で散々問題を起こしたヤツと一緒に暮らすことになろうとは。

「説明の途中で悪いけど鈴木だから!お前らそろって覚える気ないだろ!」

『当たり前だ』

「ハモるな!」

だが、変なところで息が合う。

こんな奴だが、お互いに変なことを考えているという意味ではウマが合う。

「・・・ちょっと待て!こんな会話しているけど今何文字使った!?」

「えーっと・・・2500には入ろうとしているな」

「ご主人様が無駄に長いセリフで尺取るから~」

「俺のせいにしてるけどお前らもたいがいだからな!!」

二人並んでねーみたいな感じでギャグマンガあるあるの被害者面しやがって・・・。

ダメだ、ギャグ属性のキャラが多すぎて今は俺にツッコみ全振りしている。

このままでは今回もなにも進展のないまま終わってしまう。

どうする、どうしたらこのくだらない日常会話を脱却して。

1話につなげることができる?

いやもう、マジで速くつなげないと数分前に遡るはずが数時間くらい前になっていそうでマジで困るんすけど。

「・・・いや、もう考えるのめんどくさいからいいや」

「勇者ァ!」

「ご主人様ァ!」

このままきっとなにも展開せずにグダグダとこいつらの話を聞く日々が続くんだ。

1話目のアレもきっと幻なんだ、俺のラブコメはない、存在しない記憶。

「おい、コイツ説明セリフで完全に諦めに入ってんぞ」

「マジかよ、ご主人様、が諦めたらだれがこの後説明セリフやるんですか!」

「うるせぇ!俺はもう疲れた!3,000文字も頑張ってやったのに何も進展なしなんてあんまりだ!俺はなもっとこう期待してたんだ!この小説に!俺の新しい物語を!」

そうだ、2人が急にまともなことを言ってるのが意味が分からんが。

俺は異世界を救った後、この世界に呼ばれて。

どうすればいいかわからず、混乱していた。

それだけでも意味不明なのにこんなシュールな展開させられて・・・ッ!

「こんなんもう・・・ッ!ドカァァァァンッと派手なこと起きないと話進まないに決まってんだろッ!!」


ドカァァァァアァァァァアンンッッ!!


「・・・マジで?」

嘘だろおい、今のフラグだったの?

こんなありがちなセリフを言わないと進まなかったの?

突然、壊れて吹き飛びギャグマンガの様に煙があたりに舞う。

ポロポロと天井から小石がおち、煙は少しずつ晴れて来たが、隣の部屋からはまだ消えず。

うっすらと誰かのシルエットが見えるだけだった。

「魔王ちゃん、私言ったわよね?悪戯するならお仕置き、人様に迷惑をかけたら刑罰、私のモノに手を出すなら・・・地獄へ送ると」

煙が晴れて見えたその姿はとても美しかった。

赤黒くも綺麗な髪の毛、つやつやとしたロングヘアーにツインテール。

クルリと巻かれたおしゃれなヘアスタイルが最高に可愛い。

スカートに白いフリルが三層くらいある黒いゴスロリにケープを風になびかせ。

その人は・・・俺の初恋の人は現れた。

「・・・あの、終わりですいません・・・また私、殴られたまんま放置なんですけど」

魔王のことは次回拾う。



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