【第一回目から魔王倒されるってマ?:part1】
ドカァァァァンッッ!
「嘘だろ、これで小説の始まりなんだぜ」
問題、この音はトラックにはねられた音でしょうか?
正解は住んでいたアパートの壁がぶっ壊れる音でした。
隣から魔王が壁を壊してこの部屋にぶち抜けて来た。
黒いブカブカのコートに白紫のようなロングヘアー。
デカい角、とうてい魔王と言えない可愛い面。
これが俺の世界で倒した魔王。
そして、まるでギャグマンガの世界のように壁を壊した隣の部屋からほこりと煙が舞う。
その煙が晴れてくると、一人の乙女の姿が見えて来た。
赤黒いようなロングヘアー、長いツインテール。
一体、どれほどの髪のボリュームなんだろう。
ふわふわととした白いフリルが風になびき、黒いゴスロリがカッコよく決まっている。
その乙女は・・・右ストレートをぶちかましていたポーズをしていた。
「(これだけ長い説明をしたが・・・隣の人がどういう状況なのか説明しただけだ)」
毎日小説とは、常にどうやってくだらない文章とどうでもいい文章で引き伸ばすのか。
それを考えて千文字以上考えなくてはいけない。
それゆえに初手はこんな感じなわけだが・・・。
「どうしてこうなった」
俺の名は勇者アダレット。
この部屋では俺を拾ってくれた恩人佐々木と二人暮らしだ。
「鈴木です」
金髪のチャラそうな髪と。
若干、よぼよぼのキャラTシャツとダメージジーンズがポイントだ。
倒れる魔王をよそに、こちらへ歩いて来る赤黒い髪の乙女。
「お隣さん、壁壊してごめんね」
静でおしとやかそうな声で声を出した。
右ストレートで魔王をノックアウトし、壁を壊した人とは思えない。
俺は頬を赤らめて俺は言った。
「い、いえ・・・ありがとうございます」
「なんでちょっと嬉しそうなの?」
きょとんとしていた乙女はすぐにこちらを手を差し伸べてこちら言う。
「変な人・・・名前は?」
「アダレット・・・です」
俺はその手をつかまずに、自分で立ち上がり自己紹介した。
「異世界で・・・勇者してました。」
「・・・なるほど」
何故かなにも疑わない眼でこちらを見て確認した。
乙女はこちらを見て、またあの上品で静寂な声を出す。
「私の名は・・・魔宮真女」
この世界は2022年地球、俺は異世界を救った後。
現代に召喚されていた。
この星にも魔王と勇者はセット。
魔王は隣人、俺も隣人。
これは俺が隣人の姐さんに恋してしまった・・・ラブコメディ。
「おい千文字に入ろうとしている時にこの小説のジャンルを確定させようとするな!これは私が現代で勇者にリベンジする話、なろうサイトに百ある作品の中でも現代召喚シリーズの最強にして最高の作品言うなれば」
「魔王、もう今日はここまでだから、また今度な」
「うっそだろうがおいぃぃぃッ!」
こんな作風だが、みんなわかっていると思うが。
これは作者が邪神ちゃんドロップキッ〇を見て作りたくなったんだ。
「百合漫画に対する冒涜じゃん」
鈴木の一言に対して俺は言う。
「コメディ漫画だろ、あれ」