【人なんて大っ嫌い:part4】
前回のあらすじ。
前回を読め。
「8アクセスしかなかったことをいいことに読者に投げるなッ!!」
怒る姐さん。
「この小説は貴重な読者一人を大切に生きております」
「誰に向かっているんじゃい勇者」
話を戻そう、英司さんの紹介でメイドレストランに来ていた俺達だったが。
なんと、注文を持ってきてくれたのは姐さんだった。
「簡潔にまとまっていて、文章に優しい短さ」
「尺稼ぎしないという意図が伝わって来て、実に誠実」
魔王と一緒に意見が一致する素晴らしさ。
「君ら、逆に言えば手を抜いとるともとれるで」
「それはそう」
「話を本当の意味で戻すと・・・なんでここにいるのかと聞いているの」
怒る姐さんpart2、だが今日はpart4なんだが。
「えっと・・・そこにいる英司さんの紹介でこの店に来ることになりまして・・・そしたらたまたま貴方と出会ったというか」
「クソ兄貴ィ・・・」
「いや、ワシも知らんかったし、まさかお前が接客するとは思わんじゃろて」
「知らないだけで接客は普通にできる」
声から伝わってくるイライラしている感じ。
よっぽど嫌いなのか、それとも不仲なのか。
「マオちゃん、そんな怒ることはないで、ワシら家族も友達もいつだってお前の味方だ」
「あっそう、だったらとっとと出ていって、そして2度とここに来るなッ!」
ドンッッ!!
持っていた注文を勢いよく置いてこの場を去る。
よく、形が崩れなかったな。
「流石は小説・・・」
「なにを感動してんだ勇者、それよりも私のオムライスにエビフライがないが」
「食べられたんじゃね?」
「なにをッ!?あの魔城ッ!態度も悪いし、人の食べ物勝手に食うわ、最悪だッ!レビュー星1にしてやるッ!」
「(クッソ迷惑なクレーマーで笑う)」
しかし、とりあえずオムライスをスプーンで食べはじめる魔王。
「・・・ぬおッ!?中にエビフライ!?」
「そういうことか」
しっぽが切り取られてエビフライがオムライスの中に入っていた。
どうりでオムライスが少しデカいと思ったら。
「なんという贅沢かつ、子供の心をわかっているんだ・・・ッ!」
「言うほど子供なのか貴様」
「精神レベルは子供だからセーフ!」
「たしかに頭の中空っぽだし、おこちゃまだからな」
「なんだとッ!テメェ!頭空っぽの方が夢詰め込めるんだぞ!」
「それドラゴンボー〇の歌詞な、著作で訴えられるからやめろ」
「なっはっはっはっ!やっぱ仲ようしとるな!」
『仲良くない!!』
同タイミングで否定してしまった。
コイツといるとクッソくだらんやりとりしかしない上に。
話す内容もあのクソ妖精と佐々木の同じレベル。
「せめて姐さんのメイド姿をもっと見たかった・・・」
「お前また魔城かよ、何度も何度も魔城、魔城、虹橋の奴も言ってたな・・・」
「誰だ、虹橋って」
「私のバイト先であるスムイセにいる同じバイト仲間、なんでも最近バンドを始めたらしいぞ、休憩が一緒だから話していると真白という女性のことをよく口にしている。」
「名前が一緒なだけだろ・・・」
「なっはっはっはっ!その真白だと、真白財閥の令嬢かもしれんな~!」
「こんな近くにそんなお嬢様と知り合いのラブコメ主人公いませんよ」
※なんのことか分からない人は同作者の連載中【電脳世界に死ンドル】をどうぞ。
なんか宣伝みたいになってるな、なぜ今こんな会話が出て来たんだ。
まさか、また尺稼ぎが・・・いや、そんなはずはない。
露骨な尺稼ぎとわかる人にしか分からないパロディや露骨な他作品のネタはウザがられる。
また、1日8アクセスの地獄を乗り越えるには、きっちり作品の面白さで勝負しなくては。
今日も頑張るぞい・・・。
「勇者、どうしたそんな真剣な顔して」
「えっ?あ・・・いや、今なんかまた意識が持っていかれていたような・・・」
「大丈夫か、このままそんな調子だと3000文字全部茶番になるぞ、君」
「それはダメだ、クソつまらん話の例はクソつまらない日常会話とグダグダした展開だ」
「なるほど手遅れ」
なんだ・・・この感じは。
ただでさえ、セリフまみれで誰がしゃべっているのか分からないというのに。
落ち着け、そろそろ話の道を変えないと永遠にここから抜け出せない。
明日はpart4.5とかになる、キングダムハー〇みたいにどんどん同じ数字が並んでいく・・・!
「そうだ・・・英司さん!」
「なんじゃ」
「姐さんって昔からあんな感じなんですか!」
「ようやくその話か・・・台本には仲良くないのセリフの後に君が聞く書いてあるからワシはどうしようかと・・・」
「あまりにも遅かったよな」
どういうことだ、なんで宣伝のくだりは誰がなんの意図に入れたんだ。
まあ、この際どうでもいいだろう。
英司さんが口を開くから俺は黙って聞くことにする。
「そうじゃな・・・なんて言ったらいいかわからんが、独特な子じゃった」
「独特・・・」
「生まれて間もない頃から描く絵がある意味芸術ある意味おぞましいともとれる感性、生き物の死骸を見て、嬉しそうにする様子、血を見ることになんら抵抗のない感じ、暴力を執行する時の嬉しそうな顔」
「魔王じゃん」
「お前が言うな」
血と死を好み、地獄を生きがいとする乙女か。
おそらく、普通の人からは好まれないんだろうな。
なんとなく、子供の時からずっとほかの人とは違う感じの子だったんだ。
姐さんは誰からも理解されず、ずっと孤立・・・。
家族からは見放されてない辺り状況はまだ良いと言える。
「アイツはいつも理解者を探しとると思っている、ワシはな」
「・・・」
「お前らはどう思う、今のマオちゃんを見て、話しを聞いて」
英司さんの言葉に魔王は答える。
「それはもう!ひどいね!あんなんとは絶対に仲良くできない!毎日、毎日、こっちは臓器えぐられて、死んでは復活しての繰り返し!R-15とか言ってるけどやってることR-18なんだからな!」
「・・・空気の読めない魔王め」
「じゃあ、お前ェはどうなんだよ!言ってみろロ!」
魔王が激怒して言う言葉に対して俺は静かに答えた。
「まあ、確かに人によっては残酷で無慈悲で血に飢えている危険な人かもな」
「せやろ、じゃから・・・」
「そこが好きですよ、俺」
「・・・ほう」
「返り血を浴びた姿も、魔王に容赦なく罰を与える姿も俺にとっては可憐で勇ましい勇敢な人のよう、不気味に微笑む笑顔と言われても、好きなことに素直に笑える素敵な乙女、周りから否定されて理解者が一人もいなくなっても、もしその理解者に俺がなれたなら、それはとてもうれしい」
ただずっと聞いてくれる英司さんに伝える、俺の姐さんへの真剣な思い。
魔王もその時は、なにも言わず聞いていた。
ちょっと、机に肘をのせスンっと拗ねていたけど。
まあ、自分がボコボコにやられているところを言われてもうれしくはないよな。
「強くてカッコよくて可愛い・・・そんな姐さんが大好きです」
「・・・アダレット少年」
「へいッ!」
まずい、なんかまずいこと言っただろうか。
腕を組んで少し間を開けてから英司さんは口を開く。
「妹を・・・よろしく頼むわ、寂しがり屋なんでな」
その言葉にニッと笑い、俺は返す。
「頑張ります・・・まずは振り向いてもらえるように」
気が抜けそうな人かと思えば、妹のことを心配している。
しっかりしているお兄さんだ。
「勇者君もあんなサイコパス女好きになるとはいよいよ世界も終わりかな~」
「お前も同居人なら少しは姐さんのこと考えたらどうだ」
「私はいつも殺されてんだから無理に決まってんだろ!ボケェ!!」
「キャーッッ!!」
『ッ!?』
悲鳴だと・・・?
こんな平和そうな店から誰かの悲鳴?
「なんじゃ・・・」
「キッチンにGでも出たんじゃね」
「そんな馬鹿な」
俺達は悲鳴の先を見ることにする、その目に映ったのは・・・。
「全員おとなしくしろォ!この女がどうなってもいいのかァ!」
「た、助けてッ!」
見知らぬメイド服の女性と悪そうな顔したおっさんが銃を持って人質をッ!
「良かった・・知らない人じゃった」
「いや、そんなわけないだろッ!?」
人質とられたってのに悠長すぎる・・・コイツ、警察なのか・・・ッ!?




