虚無
クラスメイトの目がこちらに向いているのがよくわかる。
昨日まではリーダーと言っていた奴らもいた。
それが今日はなんだ、4人の遺体の第一発見者だからか?
まったく、人の心はすぐに変わるから鬱陶しい。
僕は席を立つ。
それだけで周りはびくりとする。
ウザいな、トイレだよ。
僕は被害者だぞ。何でこんな扱いを受けなきゃいけないんだ。
めんどくさい、今日はこのまま学校をサボって沙夜のところに行こう。
あ、カバン…いいや。置いていこう。
僕は校門の前まで来たが、門は厳重に鍵が閉められていた。
まぁそうだよね。人が殺されたんだから…
はぁ、どうやって抜け出すか。
めんどくさいクラスに戻ろう。
授業中だが、お構いなしに僕はクラスに入る。
先生も生徒も一瞬びくりとするが、どうやら僕はいないことになっているらしい。
そのまま授業が続いた。
楽だなこの方が。
疑うなら疑えばいい。
そんなことをしていると死神がくるぞ。
なんてね。
僕はニヤリと笑う。
僕はもう死神に取り憑かれたのかもしれない。
いや違う。何もかもめんどくさいだけさ。
なぁそうだろう?
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