逃避
「瑛人、大丈夫?」
「ああ、母さん。大丈夫だよ」
「ねぇ、沙夜はいつ退院できるんだ?」
「まだ、時間はかかるって言ってたわよ」
「そっか」
「どうしたの?」
「いや、早く帰って、みんなで、3人で暮らしたいなって」
「そうね、早くそうなるといいわね」
母さんはにこりと笑った。
翌日、僕は退院した。
まぁ、気を失っただけだから当然か。
家に帰ってネットを見た。
高校で4人の首なし殺人
そういった見出しの記事が沢山でてきた。
個人の名前は出ていないが、1人は川口さん、残りの3人はおそらくうちのクラスメイトだろう…
だめだ、また事件のことを考えている。
「瑛人、明日から学校に行けそう?」
「うん、大丈夫」
「無理しないでね。今日は休みなさい」
「ありがとう」
もう、母さんは犯人じゃない。
そう考えたら楽だ。
もう何も考えなくていい。
明日からは普通に高校生活を送ろう。
翌日
僕は朝御飯を食べて学校の支度をして、出かけた。
クラスに入る
「おはよう」
返事は帰ってこない。
クラスはまたどんよりとしていた。
どうしたんだ?
あんなにみんな団結力がうまれたのに。
まぁ、いいやまた退屈な授業をきいて、帰ればいい。
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