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最初から勝ち目はなかった
僕は取り調べ?を終えて保健室にいった。
おそらく、そこに川口さんが寝ているだろう。
そういえば、あの3人はやはりうちのクラスメイトだろうか?
犯人の目的は?
動物を殺したのはそちらに注目を向けるためか…
何にしても模倣犯等ではなく、共通して同じ犯人達がやっているに違いない。
ガラッと保健室を開けるが先生はいない。
「川口さん?」
僕はベッドの方に近づく。
返事はない、まだ意識が戻っていないのか…
そう、甘かったのだ。
警察がいるから今日は大丈夫という安心感。
それは死神に取っては関係のないこと。
むしろ、それは死神にとって蜜の味なのかもしれない。
やつらは人を嘲笑うのが大好きだ。
安心感なんてすぐに壊してやる。
ベッドのカーテンを開けた僕は言葉を失っていた。
首のない川口さんの遺体が丁寧に横たわって寝かされていた。
「な、なんでだよ…」
ダメだ、僕に勝ち目はない。
お前なんかには私は捕まえられない…
そう言われた気がし、僕はそのまま意識を保てなくなっていた。
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