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引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
瑛人編
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クラス会議

また、首切り殺人が起きた。

何も解決していない。

しかし誰が。


母さんにはアリバイがあるし、そう簡単に夜の病院に一般人は入れないだろうし。


僕は学校に登校しながら情報を整理しようとしていた。


クラスに入ると相変わらず暗い空気が流れる。

昨日の事件がニュースになったからだろう。


「よお、南川、昨日の事件しってるか」

クラスメイトの名前はなんだったか?が話しかけてきた。

珍しいな。


「うん、また首切り殺人だって、ニュースで言ってたね」


この会話を皮切りに、クラスメイトが集まってきた。


話題は昨日の事件や今までの事件についてだ。


思えばこんなにクラスメイトと話したことはなかったが、おそらく孤立したこのクラスの仲間意識的な感情なのだろう。


誰かが言った。

「なぁ、俺たちで犯人を捕まえようぜ、そうすれば呪われたクラスだなんて言われない」


「無理よ」


「いや、いい考えかもしれない」

僕は思わず口に出していた。


気づいたら僕は教壇に立っていた。


「みんながこの事件について知ってることや考えたことを教えてほしい」


気づいたら、書記の役割を一人の女子生徒が黒板前にいた。


「僕はここに転校してきたばかりだから正直このクラスで死んだ人達のことはよくわからない、どんな人たちだったんだ、共通点とか」


「北條はムードメーカーで誰とでも仲良かったな、ただ3年前に妹が首切り殺人にあって独自で犯人を探してたって噂があったよ」一人の女子生徒が言う


「山崎はいわゆる不良ってやつだったな、威張ってて嫌なやつだったよ、南川がやり返したのみてスッキリした」


「あ、それ私も思った」


「山崎…の家族は殺されたりはしてないの?」


「ああ、あいつだけが被害者だな」


「あとは、あの仲良し四人組よね。尚子、光希、弥生、真奈美」


「真奈美は違うんじゃない?あれは事故でしょ」

僕は心臓が締め付けられるような苦しさを覚えた。


「ちょっと南川君大丈夫?」


「ああ、ごめん大丈夫」


「真奈美さんはともかく他の三人は今まで身内が事件に巻き込まれたとかはなかったのかな」


「うん、聞いたことない、やっぱりこのクラスで身内が殺されたのは北條だけだね」


「そういえば、中等部の女子は何で殺されたんだろうな」

中等部…ああ、美咲さんの居場所を教えてくれた女の子か


「共通点は何もないってことか…」


「そうよね、無差別殺人なんてどうにもならないわよ、せっかく最近は起こってなかったのに」


「なあ、やっぱりこの村に伝わる呪いなんじゃねえの」


「呪いなんかじゃないよ、これは絶対に殺人だよ」

僕が強く言ったため、クラスが静かになってしまった。


「ごめん」


「そういえば南川君も身内が殺された被害者だったもんね、ごめんね」


「ああ、そうか僕も含めるとこのクラスには二人身内が殺されてるってことか」


「てことは、俺達にも順番が廻ってくるのか」

クラスがざわざわとし始める。


「とにかく、また何か情報があったらみんなで共有しよう」


有益な情報は得られなかったが、クラスが団結することによって、情報が手に入れやすくなった。25人も入れば何かしら情報は入るだろう。

これは僕にとっては大きな収穫のはずだった。




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