再び始まる殺人
はっと僕は目を覚ます…寝てしまったのか。
もう夜中だ。でも気持ち悪いからシャワーだけでも浴びよう。
部屋のドアを開けると母さんが立っていた。
僕はぎょっとした。
「あら、瑛人どうしたの?」
「母さんこそこんな時間に」
「ああ、水が飲みたくてね、瑛人こそどうしたの」
「いや、汗かいて気持ち悪いからシャワー浴びようと思って」
「そう、なるべく早く寝るのよ」
母は部屋に入っていった。
そして僕もシャワーを浴びて再び部屋に戻っていった。
そして次の日の朝僕は食卓についた。
「今日は日曜日だし、ふたりでお見舞いに行きましょう」
「うん、そうだね」
僕らは車に乗って病院に向かう。
「母さん、安全運転でお願いします」
「あらあら、心配性ね」
「そういえば母さん。ごめん。母さんが殺人犯なんて言ってしまって」
僕はいつのまにか、母さんへの疑念がなくなっていた。
「ああ、仕方ないわよ。真奈美さんの件とか色々あったものね。お母さん気にしてないから大丈夫よ」
今…なんて言った。
「さ、着いたわよ、どうしたの瑛人」
僕は黙って車を降りる。
すると病院内が騒がしい。
「どうしたのかしら?」
なんだか胸騒ぎがする。
僕は急いで騒ぎの場所に走っていく。
「ちょっと、瑛人…慌ただしい子ね」
僕は人の波をかいくぐってその状況に体が硬直した。
首のない遺体が座らされていた。
終わっていなかった殺人事件。
僕はその遺体の名札を見る。
沙夜の担当看護師だ。
なぜだ、誰が殺したんだ。
なんで殺したんだ。
また深い闇へと死神に誘われていく…
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