後悔
彼女は天然ぽさがあった。だからあのメールにもあまり意味を感じてなく素直に受け止めていた。
「たくさん話してくれてありがとう
すごく楽しかった
ケーキ美味しかったね
天気もよかった
今度またいこうね
路地裏の景色もいいんだ、今度行こう
さっきのことを思い出したらまたすぐに会いたくなった
連絡また、すぐにしたくなったの
ルンルンしちゃった。また明日」
これは左の文字を縦読みするのだ、よくある手法だが
「たすけてころされる」
これはそういうことだったのだ。
じゃあ誰に殺されると感じたのだろう。
他のメールも確認した。
「あなたと会える日を楽しみにしてます。
何でもないことがいつもあたりまえのように
沢山はなして
のんびりしたいね
いいよね。瑛人くん」
「あなたのい?」
これは違うか
そのあとは縦読みになるようなメールはなかった。
あなたのいその続きをあの喫茶店で売っていたようだ。
あの別れたあとに続きを打とうとしたが、死を覚悟した彼女は途中で僕に最後のメールを送ったんだ。
ありがとう、真奈美さん。
ごめんなさい、真奈美さん。
君のメッセージに気づかないで。僕は自然と涙が出ていた。
「おやおや、どうしたのかね」
管理人さんだ…
「お母さん、元に戻ってよかったね」
「ええ」
僕は涙を拭いながら立ち上がる。
「こないだは、色々とありがとうございました」
「いやいや、私は警察の方とお話しただけだよ」
警察の方…あの若い刑事さんですか?
「私からみるとみんな若いからねぇ。でもよく見かける刑事さんかな」
「そうですか。また改めてお礼に伺わせて頂いてもいいですか?」
「若いのがそんなに気を遣わなくていいんだよ、まぁ気分転換に遊びに来るのもいい」
「はい、そうさせてください」
「じゃあね」
僕は軽く会釈をして家に向かった。
家に帰ったら母さんに聞かなくては行けないことがある。
子供の頃聞かされた話の真実を
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