大切なメッセージ
「目を覚まさないわね…」
母さんは沙夜の頭を撫でる。
「うん、このまま目が覚めなかったら僕は…」
「大丈夫よ」
母さんは僕の頭を撫でる。
「明日からはちゃんと学校行くのよ、沙夜のことが心配なのはわかるけどね」
「うん、ありがとう、じゃあ僕、自転車だから先に帰るよ」
「気を付けるのよ」
母さんはいつものここの町に来る前の優しい母さんだった。
やっぱり狂ってるのは僕だったのか。
僕が病院を出ようとしたところで、あの看護師さんに声をかけられた。
「あの、大丈夫?」
「えっ?何がですか?…あのタオルありがとうございました」
「いいのよ、それよりも何だかずっと悩んでるような顔をしてるから、もしよかったら話…聞こうか?」
一瞬嬉しくなったが…ダメだ巻き込んでは行けない。
「いえ、大丈夫ですよ、心配ありがとうございます」
「そう、悩みごとがあったらいつでも行ってね」
にこりと笑う。
「はい、ありがとうございます」
あの人に魅力を感じたのは真奈美さんの笑顔に似てるからだ。真奈美さん…
僕はふとスマホをみた。真奈美さんとのメールのやり取りを見た。
未練がましいな…
ん、なんだ。
「たくさん話してくれてありがとう
すごく楽しかった
ケーキ美味しかったね
天気もよかった
今度またいこうね
路地裏の景色もいいんだ、今度行こう
さっきのことを思い出したらまたすぐに会いたくなった
連絡また、すぐにしたくなったの
ルンルンしちゃった。また明日」
なんだか、真奈美さんらしい、脈絡のないメールだな。
僕はふっと笑う。あのときも違和感を感じたんだよな。
急にこんなメール送ってきて…懐かしいな。
僕もそっちに…
もう一回メールをみて懐かしむ。
そんな…これは何できづかなかったんだ、
彼女のヘルプに…
彼女は自分が殺されるのをわかっていたんだ。
犯人も…
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