闇は掴めず
家の鍵を開けると家の中は静かだった…
まさか母さん。
「母さん、母さん」
すると母さんはソファーで寝ていた。
僕は母さんに毛布をかけた。
いつか元の母さんに戻ることはあるのだろうか。病院につれていくべきなのだろうか。
いや、それよりもまずは。
僕は家のパソコンを立ち上げた。
くそ重いな。電波が悪いのか?
検索画面がでたので、【安斉山町】と入力した。
南條はこの件について踏み込むと大変なことになるぞと言っていたが、僕は呪いだけでは片付けたくなかった。
しかし、何もヒットしない。
そんな分けない。ここに存在している町のことが何もでてこないなんて…
くそ、どうしたらこの町のことがわかるんだ。僕はイライラして机を叩いた。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「沙夜、帰ってたのか」
「うん、自己紹介した時に昨日の事件を知ってるのか、あまり近づいてこなかったよ。まぁその方が私は楽だけど」
「そうか」
「お兄ちゃんなにやってるの?」
「この町について調べたくてさ。ネットを見てもなにも出てこないんだ、変だろ?」
「そしたら図書館とかは?」
「図書館…この辺にあったっけ?」
「学校の帰り道にあった、お兄ちゃん気づかなかったの?」
慌てて帰ったから気づかなかった。
「よし、とりあえず図書館に行く」
「私も行くよ、一人は怖い」
僕は一瞬ためらったが、沙夜と一緒に図書館に向かった。
お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。