再び闇に踏み込む
犯人は誰だ。
僕は沙夜の病室で考える。
沙夜はまだ目を覚まさない。
犯人は近くにいるのか…
誰だ。警察…
あの名前が思い出せない刑事。
そういえば、必ず何かがあるとあの人が現れる。
あいつか。でも証拠は?
過去の会話を思い出せ。
安田刑事…
そうだ、安田刑事が何か手帳を持っていた。
あの手帳を手に入れれば。
僕は警察署に行った。
もちろん安田刑事の住所など教えてもらえるわけもなく。
そのまま警察署をでることになった。
はぁ、どうしたものか。
「おやおや」
司書のおばあさんだ。
「どうしたんだい?妹さんのところにいなくていいのかい?」
「あ、はい」
「何か探し物かい?」
「ええ、ある人の住所を探してまして」
「ちなみに、誰のかい?私は昔からこの町に住んでるからわかるかもしれないよ」
「警察官です、安田って言う」
「おやおや」
「知ってるんですか」
「もちろん、あの子が小さい時よく面倒みたもんだよ」
おばあさんはメモをかきはじめた。
「ほれ、ここが住所だよ」
「すごい、記憶力ですね」
「おやおや、私もまだまだ若いんだよ」
「あっ、失礼しました。とにかくありがとうございました」
僕はおばあさんにお礼を言ってメモにかかれた住所へ急いだ。
お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。