死神の罠
死神と名乗る人物の言う通り、もう気づいているのかも知れない。
でも、動機は?そして、協力者は?
それがわからないと下手な動きは取れない。
「そのスマホにヒントがあるって聞こえたけど」
「ああ、でも…どこにヒントがあるんだろう」
写メや連絡先までくまなく確認した。
ヒントの意味がわからない。
「ちょっと私にも貸して」
沙夜がスマホを受けとる。
その時だった、スマホがパンッと爆発した。
「沙夜!!」
「う、うぅ痛い、痛い、痛い」
沙夜は泣きながら左手を抑える。
左手からは血がボタボタと落ちる。
「痛い、痛いよ、痛い」
と、とりあえず、止血、救急車
僕は慌てる。
「大丈夫か」
後ろを振り返ると管理人さんがいた。
「今救急車を呼ぶから、君はその子の止血をするんだ」
「は、はい」
「痛い、痛い」
沙夜の手をみると指は残っているが、皮膚や骨がむき出しになっている。
「沙夜、今救急車がくるからがんばれ」
沙夜の顔色はどんどん悪くなっていく。
「痛い、いた…」
沙夜がピクリとも動かなくなってしまった。
「沙夜、死ぬな、死なないでくれ」
救急車がまもなくやってきて、惨状に驚く。
すぐに沙夜は担架に乗せられる。
救急隊は受け入れてくれる病院を当たっているようだ。
「早くしてくれ、沙夜が死んでしまう」
「落ち着くんだ、今できる限りの処置はしている」
数分して受け入れ先が決まったのか、救急車は出発する。
「こっちは任せなさい」
管理人さんが僕に言う。
おそらく警察対応のことだろう。
死神…絶対に許さない…
お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。