闇に踏み込む
「今日からこのクラスになります、南川瑛人です、よろしくお願いします」
少しざわざわとしていたが昨日の父さんの事件を知ってる人がいるのかも知れない。
沙夜は大丈夫かな
「なぁ、南川くん、俺北條って言うんだよろしく」
調子のよさそうな隣の席の男子が声をかけてきた。
「あ、ああよろしく」
「南川ってさ、昨日事件に巻き込まれた?」
こそっと北條が聞いてきた。
「知ってるのか」
僕は思わず北條にむかっていく。
「おい、そこうるさいぞ」
「悪い悪い、あとでちゃんと話しするから外で昼しようぜ」
僕はお昼時間になるのが待ちきれなかった。
そして、昼休みになった。
「よし、南川いこうぜ」
「瑛人でいいよ」
僕らは中庭のベンチに座った。
「で、昨日の事件を何で知ってるんだ」
「だって、警察来てたからさ、どうせ自殺とか言われただろ?」
「なんでお前はそこまで知ってるんだよ」
「何でって、この町では当たり前って言うか、俺んちも同じ目にあってるからさ。俺んちは妹がやられた」
「何を平然と言ってるんだ、あたりまえってなんだよ」
僕は興奮して手に持ってた焼きそばパンがぐちゃぐちゃになる。
「まあ、落ち着けよ。瑛人。この町ではさ、毎年一家庭に一人、人がころさ…死ぬんだよ、不思議だろ、警察も最初は事件だって言ってたけど、いつの間にか呪いだ、呪いだって町では当たり前になったのさ」
「呪いなんて言葉で片付けられるかよ。僕は必ず犯人をみつけてやる」
「やめとけ、瑛人。せっかくお前は生き残れたんだから」
「なんでだよ、なんでみんなこの状況を受け入れてるんだよ」
「そういう町なんだよ、ここは」
僕はそのあとの授業はさぼって町中を歩いた。
何か手がかりがないか、そうだ家のパソコンを使ってこの町のことを調べよう。
僕は急いで家に帰った。
母さんはどうしているのだろうか
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