目覚め
僕は沙夜の問いの意味がわからなかった。
「どう言うこと?僕はお前のお兄ちゃんじゃないか」
「そうだけど、昨日私を犯人扱いして殺そうとした貴方は誰なの?」
「えっ?殺そうとした?何を言っているんだ。沙夜」
「覚えてないの?昨日公園であなたは私の首を締めたのよ」
「冗談は止めてくれよ、確かに公園には行ったけど、犯人から呼ばれて」
「でも結局犯人からはこのスマホを投げ渡されただけだった」
「そのあとに私とあったでしょう?」
「会ってないよ、僕はそのあと刑事さんに会って一緒に…一緒にどうしたんだっけかな?気づいたら部屋で寝ていた、そうかあれは夢か」
夢で片付けられるなんて冗談じゃない。
「そうだ、僕は犯人とあの公園であったんだよ、でも逃げられてしまったんだ。リアルな夢だった」
「それが夢なら何で北條のスマホを持っているのよ」
「お前がもってきたんだろ?それでゴミ箱に捨てたんじゃないか」
「確かにゴミ箱にはすてたけど…」
会話が噛み合ってる用で噛み合っていない…
「で、その夢で犯人とあったって言うけど誰だったのよ?」
「わからない、でもどこかで見たことのある人だったと思う」
「そう…」
私はお兄ちゃんに近づく。
「どこかでみた顔はこの顔ですか?」
私はお兄ちゃんに問いかける
「やっぱりお前だったのか…」
私はお兄ちゃんにキスをした、それは大人がするように濃厚に。
「な、何をするんだ!!沙夜」
瑛人は慌てて沙夜を突き放す。
「目…覚めた?」
「僕は……」
瑛人は頭を抱えて叫び声をあげる。
私はその様子を見届ける。
「はぁ、はぁ僕は、僕は」
「落ち着いて、お兄ちゃん。いい加減に目を覚ましてよ、お父さんを殺した犯人を捕まえるんでしょう」
「そうだ、僕はそのために、そのために」
今度は瑛人が沙夜にキスをする。
突然のことで沙夜の体は硬直する。
「ありがとう、沙夜。目が覚めた。一緒に犯人を探そう」
いつものお兄ちゃんに戻った…
けど妹にキスはどうなのよ。
私は顔を真っ赤にしながらトイレに逃げ込んだ。
「目…覚めた」