あなたは誰?
私は食べ終えたコンビニ弁当をゴミ箱に捨てる。
「えっ」
勢いに任せて捨てた北條のスマホがなくなっている。
お兄ちゃんか?
私がスマホを盗ったことがバレた?
殺される…
ぎぃぃぃ
お兄ちゃんの部屋の扉がゆっくりと開く。
手には北條美咲のスマホを持っている。
私は恐怖で声が出ない。
お兄ちゃんは私に近づいてくる。
何か攻撃できるものはないか。
「沙夜…」
「あ…」
「スマホの中身はみれたか?」
「え、あ、暗証番号がわからなくて…」
「そうだよな、僕も試したけどダメだった、パソコンで解析できる方法とかあるかな?」
「ど、どうだろう?そういうのってお金がかかるんじゃない?」
「そうだよな…本当は警察に提出して解析してもらうのがいいんだろうけど、警察は信用できない」
「そ、そうね。安田刑事のこともあるし」
あなたは誰なの?私のお兄ちゃんなの?
喉元まででかかった質問を止める。
「犯人はいったい僕にこのスマホを渡してどうしたかったんだろう」
「わ、わからない、そ、そうだ。お兄ちゃんご飯食べる?コンビニ弁当だけど」
「ああそうだね。食べようかな」
「ねえ、お兄ちゃん…あなたは誰なの?」
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