翻弄
「お兄ちゃん!!」
「沙夜」
「なんて格好してんのよ、どうしちゃったの?」
「沙夜、お前か?お前なのか」
「な、なにがよ」
沙夜が後退りする。
「さっきの電話はお前か」
「は?電話?何言ってるの?意味わかんないんだけど」
沙夜は瑛人が手にしているスマホに気づいた。
「ちょっとそれ?誰のスマホよ」
「とぼけるな、お前が投げてきたんだろう、北條美咲のスマホを」
「ちょっと本当に何いってるの」
瑛人の手が沙夜の首に向かう。
「ちょっ、く、苦しい、やめてお兄ちゃ」
沙夜はとっさに瑛人の股間を蹴る
「がはっ」
瑛人がその場に崩れる。
「げほ、はぁはぁ、何考えてんのよ、何で私を殺そうとしてるのよ」
「何でよ、私はただ歩いてただけなのに、そしたらパジャマ姿のあんたを見つけたから声をかけただけよ、ふざけないでよ」
沙夜は一気にまくし立てた。
周りの人達がざわついている。
ギロリと瑛人が沙夜を睨み付ける。
「何よ、私は殺されるようなことはしてないわよ」
「犯人から電話がかかってきたんだよ、公園にいくといいって、そしたら北條のスマホが投げ込まれて、そこでお前が現れた。お前が死神なんだろう」
「何、こいつ。本当にふざけんな」
沙夜が瑛人の顔面を蹴りあげる。
瑛人は顔面をおさえてのたうち回る。
「もうあんたなんか死んじゃえばいいのよ」
沙夜は走ってその場を立ち去った。
残された瑛人は立ち上がることなく動かない。
騒ぎを聞き付けた警察がやってきた。
「また君か…」
「パトカーに乗ってもらうよ」
瑛人は両脇を刑事ふたりにおさえられてパトカーに乗せられた。
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瑛人は完全に壊れてしまいました…
この後どうなるのでしょう