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壊れる心
「お兄ちゃん、落ち着いた?」
「うん、ごめん。ずっといてくれたんだな」
「うん、心配だったから」
「ごめん」
「謝らなくていいんだよ。もう少し寝てて」
「ああ、そうするよ」
僕は目を閉じた。
もう誰が死んでもおかしくない。
沙夜、沙夜は?沙夜はどこにいった。
僕は慌てて部屋の扉を開ける。
「どうしたの」
沙夜は、びっくりする
「もう誰も失いたくない、沙夜がいなくなってしまう気がして」
沙夜は僕を優しく抱きしめる。
「大丈夫、私はお兄ちゃんの側にずっといるから、だから今はちゃんと休んで」
「ああ、わ、わかった」
ふらふらと自分の部屋に戻っていく。
沙夜は黙ってそれを、見つめる。
「今日のご飯は何にしようかな」
沙夜は独り言を言ってスマホゲームをやりはじめた。
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主人公が段々と壊れて行くのか、立ち直れるのか…