崩壊
家に入ってからは僕は脱け殻のようにソファーに座った。
「お兄ちゃん…」
「なんで、こんなことになるんだろうな」
「でも、今回のは事故なんでしょう?」
「事故だとしてもだよ、これが呪いなのか?、僕は呪われてるのか」
沙夜は黙ってしまった。
沙夜にこんなことを言っても仕方ないのに…
「ご飯は…食べれる?」
「いらない、今日は放っておいてくれると助かるよ」
「わかった、ごめんね」
沙夜は自分の部屋にはいって行った。
僕は真奈美さんを思い出す。
なんで、なんでこんなことになってしまうんだ。
あれは本当に事故なのか。誰かが意図的にやったんじゃないのか?
誰だ、誰が真奈美さんを殺したんだ。
(お前だよ、お前が喫茶店に誘ったから)
僕の頭にもう一人の自分が僕を責める。
もうやめてくれ、だれか助けてくれ。
「うわぁぁぁぁ」
僕は大声で叫んだ。
「お兄ちゃん!!」
沙夜が慌てて部屋から飛び出てきた。
僕は錯乱状態になってしまったようだ。
次に目が覚めた時はベッドの上にいた。
傍らには僕の手を握る沙夜が寝ていた。
ごめん、ごめんな。こんな兄で。僕は沙夜の手を握り返した。
今日は学校は休もう。もう人と関わりたくない…
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