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さようなら
僕たちは喫茶店で楽しくおしゃべりをした。
「あ、気づいたらこんな時間だね」
「ほんとだ好きな話してるとあっという間だね」
「近くまで送るよ」
「ありがとう」
僕たちは喫茶店を出て歩いた。
「ねぇ、南川くん」
真奈美さんが僕の手を握った。
僕は体が固まる
「私、怖い。次は私が殺されるんじゃないかって」
そんなことはないよ。とは言えないくらい無差別に殺人は起きている…
「僕が守るよ」
「えっ」
「もし、犯人が真奈美さんに迫ったら僕が守る」
「南川くん」
なんだか言ってから恥ずかしくなってきた。
「ねえ、南川くん、私…あなたのことが好きです」
「えっ、あっ」
「返事は今度でいいから」
「あ、あの」
「ありがと、何だか気持ちが落ち着いた、ここまでで大丈夫だから、また明日学校でね」
にこりと笑いながら僕に手を振る
僕はドキドキとしながら手を振る
すると、真奈美さんの上に車が落下した…
僕は愕然とした。
そんな…何でだよ…
悲鳴が聞こえるが、僕の耳には入らない
せっかくの幸せをつかめそうだったのに…真奈美さん。どうか安らかに