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沙夜
今回は沙夜視点でのお話です。
「まったく、お兄ちゃんのバカ」
でも今回の事件…終わってなかったってことか…
「さて、どうしたものか」
私は1人で歩いていると何か人の気配を感じた。
私は辺りを見渡す。
気のせいか。そうだ、図書館にでも行こう。
「こんにちは、おばあさん」
「おや、こんにちは。今日は1人かい?」
「ええ、1人の方が気が楽ですし」
「おやおや」
私はお兄ちゃんがよく、読んでいた小説を読んでみた。
つまんない、何が面白いのよ。あーなんだかイライラする。
「お母さんの様子はどうだい?」
おばあさん(司書さん)が声をかけてきた。
「ああ、食事はあげてますよ、ちゃんと。まだ生きてもらわないと困るから、おばあさんこそ元気?」
「おやおや、そうだね。私は元気だよ。力仕事だってまだまだできるくらいにはね」
「そう」
「事件は迷宮入りかい?」
「真相はなかなか掴めないものよ」
「おやおや」
「そう、簡単にはね…」
私はポツリとつぶやく。