悪は滅びず
「おはよう」
僕は自分の部屋の扉を開けて言う。
まだ誰も起きていないのか、居間は静かだ。
僕はスマホをチェックする。昨日、真奈美さんとアドレス交換をしたため、もしかしたらメールでも来てないかと淡い期待があった。
んっ?沙夜からのメールだ。
先に学校にいってます。
はぁ、昨日遅くなったのをまだ怒ってるのか。
しかし僕と母さんの分の食事はちゃんと用意してあった。
この辺が憎めない妹である。
僕は朝食を食べながら真奈美さんからメールが来てないことに少しがっかりしていた。
「いけね、もうこんな時間だ」
ぼけっとしていたらいつの間にか時間が立っていた。
僕は慌てて学校に向かった。
クラスに入ると、真奈美さんがいた。
僕はなんだか恥ずかしくなった。
そしてお昼の時間になった。
「南川くん、あの、よかったら一緒にお昼食べない?」
「えっ」
「ごめん!嫌ならいいの」
「いや、そうじゃなくていつも一緒に食べてる友達がいるんじゃないの?」
僕はファーストフード店で真奈美さんの様子をみていたクラスメイトのことを思い出しながら言った。
「うん、それが今日3人ともさぼっみたいで、学校には行ったみたいなんだけどねって先生が言ってた」
「そうなんだ、じゃ、じゃあ一緒に食べようか」
「うん」
真奈美さんが嬉しそうに笑う。
かわいいな
(全く、浮かれていて…バカなふたり)
「うわぁぁぁ」
男の悲鳴が聞こえた。
「えっ何?」
僕は胸騒ぎを覚えた。
僕は声のする方へ走っていった。
その光景に僕は胃の中のものが逆流しそうになる。
非常階段に並べられた。3人の女子高生の首なし死体
阿鼻叫喚が辺りから聞こえる。
間違いない昨日の3人だ…
殺人は終わっていなかったんだ…
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