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引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
瑛人編
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すべての始まりはここから

母さんは車を運転する。


「母さんの運転久しぶりだね」

僕は内心ドキドキしていた。


「大丈夫よ、人も少ないし、なんならかっ飛ばしちゃおうかしら」


「スピードは守ってよ」

沙夜がぽつりと言う。相変わらずスマホとにらめっこだ。


「冗談よ、まぁ今日は引っ越し祝いにすき焼きでも作ろうかしら、それにしてもあのアパート全然人が住んでいないわね」


「そうなの?」


「ええ、引っ越しの挨拶にまわったんだけど、誰も出てこなかったのよ。もう夕方だし、誰かしらいてもいいと思うのよね」


「表札とかなかったわ、多分だれも住んでない」


「あら、そうなのかしら、沙夜よくみてるわね」


「母さんがみてないだけよ」


「でもまわりを気にしなくていいのは気楽でいいね」

僕は呑気に言う。


「着いたわ、あそこが私たちの命綱ね」

スーパーをみつけて、母さんは大袈裟に言う。


スーパーには人がぽちぽちといた。


久しぶりに人を見た気がする。


「あら、野菜とお肉が安いわ」

母さんのご機嫌な声が聞こえる。


ひとしきり買い物を終えるとまた僕らは車に乗って帰ろうとした。


すると一人の老婆が話しかけてきた。


「あんたたち見ない顔だね」


「はい、私たち今日越してきたんです」


「そうかい、まぁ色々と気を付けな」

にこりと笑って老婆は去っていく。


「薄気味悪い」


「沙夜、失礼よ」


「なんだか不気味だよ、母さん。早く帰ろう」


「そうしましょう、早く帰って夕飯の支度をしなくちゃ」


僕はあの老婆の言葉が気になって仕方がなかった。


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