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遺体は増える
僕は寝付けない。
沙夜も寝付けないようだ。
「ねぇ、お兄ちゃん、川の遺体って誰なの?」
「わからない、もしかして美咲さん?」
「それだと時系列が会わない、私もお兄ちゃんもあの遺体が見つかったあとに妹さんと会ってるし」
「そうだよな…じゃあ誰なんだ」
「私たちが今確認したのは、お父さん、北條兄、山崎?だっけ、後は川合祐希奈」
「4人か、じゃああの遺体は」
駄目だ、話がずっとループしている。
「でもさ、川の遺体は北條として火葬も終えてしまってるし」
「そうよね、もうあの遺体が誰なのかわかるすべがないのね」
「もう、今日は寝よう、どう考えても無理だ」
「そうだね、ねぇお兄ちゃん」
沙夜がベッドでこっち向きになる。
僕は思わずドキッとした。
今僕たちはひとつのベッドで一緒に寝ている。
「ど、どうした」
沙夜は僕の手を握る。
「私たちは絶対一緒だよ」
「うん、お休み」
余計に寝れなくなってしまった。
第5の遺体あれは…
気づいたら僕は眠りについていた。
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