狂気
「沙夜、僕は今日もう一度北條の遺体が見つかった場所に行こうと思ってるんだ」
「えっ、でもあれだけ探しても何も、いや耳とお父さんのメガネだけはあったけど」
「もう少し範囲を広げて捜索すれば何か出てきそうな気がして」
「彼のノートに書いてあったの?」
「うん、殴り書きで、ピアノ線とかノコギリとか」
「ねぇ、お兄ちゃん…それって」
沙夜が立ち止まる
「それって犯行記録じゃないの」
「えっ…」
言われて見ればそう言う見方もできる。
「沙夜、僕はそうは思わなかったんだけど…今日は学校行くのやめて今からそのノートを一緒に見よう」
沙夜が手をクロスさせる。
「落ち着いて。お兄ちゃん。帰ってから私も読むから」
僕はいてもたってもいられなくなっていた。
「でも」
「お兄ちゃん、落ち着いてってば」
「くそう、ノートをもってくればよかった」
パシン、僕の頬を沙夜がビンタした。
静寂が走る。
「ごめんね、お兄ちゃん。落ち着いた?」
「…あ、ああもう大丈夫。学校に行こう」
僕は沙夜のビンタで我にかえった。
全く情けない兄だ。
校門のところに人だかりができている。
「なんだろう?」
僕はいやな予感がした。
急いで沙夜と駆け寄る。
そこにあったのは…
父さんの顔が置かれていた
沙夜はその場で意識を失った。
僕は頭の中が真っ白になった。
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