表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
瑛人編
21/178

第4の死体

次の日僕はどうやってノートを受け取ろうか迷っていた。


美咲ちゃんは沙夜と同じクラスだし、帰りは沙夜と買い物に行くし…


僕は美咲ちゃんに高等部の僕の下駄箱にノートを入れられるかメールをしてみた。


あ、中等部の生徒は携帯禁止か?


今日はノートを手に入れるのは難しそうだ。


「きゃあああああ」

外から誰かの悲鳴が聞こえた。みんなが窓から悲鳴の方へ飛び出す。


僕も遅れる形にはなったが、なんとか覗き込んだ。


女子生徒の首なし死体がそこにはあった。


教室内も悲鳴や嗚咽が響き渡る。


あの死体は誰だ?もしかして美咲ちゃんか


僕は慌てて現場に走る。


すでに先生達が生徒を近づかせないようにしていた。


「祐希奈、なんで、なんで祐希奈が」


どうやらあの死体は中等部の祐希奈と言う名前らしい。


また首のない死体。そしてこの子はなんで殺されたんだ。


今日は学校は臨時休校となりすぐに生徒たちは帰宅を命じられた。

僕は下駄箱をあける。

ノートだ。あの騒ぎの中で美咲ちゃんが入れてくれたのか。

僕は先程の事件のことを忘れて思わず喜ぶ。


校門のところで沙夜が待っていた。


「なんだか嬉しそうね」


「え、そ、そうか?」


「昼間の死体…見た?」


「うん、あの制服は中等部の子だろ?周りにいた生徒が祐希奈とか泣いてたけど」


「そう、川合祐希奈、その子昨日お兄ちゃんにいきなり声をかけられたって朝言ってたよ」


えっ、僕は血の気が引いた気がした。


声をかけた…美咲ちゃんの居場所を尋ねたあの子が死んだのか。


僕が巻き込んだっていうのか?


「ほんとなの?お兄ちゃん」


「いや、人違いだよ、僕が中等部に行くとしたら沙夜に用があるときくらいじゃないの」

自分でも何をいっているのかわからなくなった。


「ふーん」


微妙な間が続く。

もしかして沙夜は僕が犯人だと疑っているのか?


「さて、今日こそ、食料品買いに行こう、寄り道はダメだからね」

沙夜はにこりと笑った。


その笑顔が不気味に思えてしまった。



お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ