呪いの返却
「沙夜…何で…」
僕は沙夜に裏切られたことがショックで憔悴しきっていた。
「ハロー、瑛人くん」
ご機嫌な声が聞こえる。
「真奈美さん…また抜け出したの」
「だってここの刑務所警備が薄いんだもん」
「そうなの?」
「どうする、出してほしい?」
「もう、どうでもいいんだ」
「そう、それなら」
真奈美はカチャカチャと鍵を開ける
「じゃあ、呪いは返してね」
「えっ」
僕は真奈美さんが言ったことの意味がわからなかった。その瞬間‥
真奈美は瑛人の首を包丁で切りつける。
「え、あ。な、なんで」
瑛人の首から血が吹き出る
僕は必死に首を押さえる。
「あなたたち家族は私の邪魔をしたのよ。当然の結果。安心して沙夜ちゃんにはもう興味ないから殺さないわ」
「そ、そんな、まってくれ。僕は君のこと…が」
僕の視界は消えていく。
「ふふ、瑛人くん知ってる?
この町は…悪に満ちているのよ」
真奈美は絶命した瑛人に向かって話しながら、鼻歌を歌ってどこかに消えていった。
お読みいただいてありがとうございました。はじめてのジャンルで色々と勉強になりました。
次回作はこの世界観を共有した作品です。
よろしければそちらもお読みいただければと思います