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引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
真相編
173/178

解決にむけて

「あーあ、結局口出ししまくっちゃったよ」

由梨が頭をボリボリとかきながらぼやく


「まったく、今回の事件は関わりたくねぇって何度も言ったろうよ」

無精髭を生やした男がさらにぼやく


「仕方ないでしょ、あの子あのままじゃ壊れちゃうからさ、あとはあの子に全部投げたからいいでしょ」


「おいおい、ここまで首突っ込んで丸投げかよ」


「えっじゃあ。最後まで手伝ってくれる?」


「それは嫌だ」


「でしょ、まぁもう一回ここにつれてきてくれてありがとね、叔父さん」


「へっ」


「でも、そういえばあの子…私のこと見えたみたいよ」


「え、じゃあもう死んでるんじゃねぇか?」


「いや、生きてたよ。多分死に片足突っ込んでたからじゃない」


「ふーん、何だか相変わらずよくわからねぇ仕組みだな」


「私もわかんないよ、ねぇ叔父さん。もう少しだけここにいてもいい?」


「帰るって言っても聞かねぇだろ?」

ふぅと男はため息をつく。


「さすが、よくわかってるね」

由梨はニコニコしながら言う


「愛想笑いはいいよ、最後まで見届けるのか?」


「そうだね、私ができることはもうないからどうなるか見届けたいだけ」


「でも、もう一回話してこようかな」


「好きにしな、俺は怖いから隣町に避難してるから終わったら呼べよ」


「情けないわね」


「殺されたくねぇからな」


車は走り去っていく。


「さてと、もう一回行ってやるか」



私は病室で犯人が来るのを待っていた。


いつになったらくるのだろう。


あの由梨さんと話してから数日立つ。


もう来ないで2人でどこかに逃げたのかな


私は目をつぶる


それならそれでもう私がどうにか出来ることではない


「お父さんを成仏させてやりなよ」


あの言葉がどうしても私を死なせてくれない。


「また、死のうと思ってた?」


「えっ」


「暇そうだから来てやったよ」


「由梨さん?」


「ああ、ねえ本当にあの2人は来るの?」


「来るよ。この病院の近くの森に隠れてるのを確認した」


「ばれなかったの」


「ばれないよ、私の姿は見えないからね」


「でも私には見える」


「それが不思議なんだよ、それにしてもあの女すごいな、脱獄なんて。せっかく意識が失くなる位に鈍器でぶん殴ってやったのに」


「あなたがやったの」


「ああ、ムカついたから」


「大胆なんですね」


「まぁね」


「あの、由梨さんは何で…」


「あ、ああ交通事故だよ。あんたには関係ないよ」


「成仏できない人と会話ができるんですか?」


「そうみたいだね、でも死んでないやつと話せたのは初めてだけど」


「実は死んでるとか…」


「死んでねぇよ、あんたは生きてる。ここで殺された奴らの分も生きろよ」


「でも、あの2人は来ないよ」


「時間の問題だよ、あんたの顔をみて2人でこの町から出る計画を立ててたよ」


「由梨さんは、なんで真奈美を殺さなかったの?」


「は?死人に人殺しなんかさせんなよ、私は地獄に落ちたくないからね」


(この人はなんで成仏していないのだろう、聞いても怒られるだけか。ヤンキーだし)


「あんた、今またヤンキーとか思っただろ?」


「思ってない!思ってないです」


「そう、でもさ。丸投げしといてなんだけど、どうするつもりなんだ?」


「私の顔を見に来るんでしょ。なら直接話すわ」


「殺されるかも知れないよ」


「そしたら、成仏できないから、また私のところに由梨さんが来てくれるんでしょ?」


「ちっ、私はそういうんじゃないって」


「冗談です、でも多分私は殺されないから大丈夫ですよ」


「そうかい、まぁ一応私もここにいてやるよ」


「ありがとう、由梨さん」


「べ、別にお礼なんて言われることじゃないよ」


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