救世主?
「ごめんなさい、まさかこんなことになるなんて」
真奈美は沙夜の首もとにタオルを当てて止血をする。
「君のせいじゃない」
「救急車が来たら隠れないとね」
「そうだね」
「ねぇ、私が憎い?」
「いや、そんなことはないさ」
「そう、よかった」
「救急車が来たね」
「そうね、じゃあ私たちは隠れましょう」
救急隊が部屋に入ってくる。
そこには首から出血をしている少女が倒れている
「大丈夫ですか?くそ、出血が酷い、急いで搬送するぞ」
沙夜は担架に乗せられ救急車で搬送されていく。
「じゃあ、またね」
「ああ、まだやらないといけないことがあるから」
「そう…手伝わなくていいの?」
「大丈夫だよ、ありがとう」
真奈美はその背中を見届ける。
さてと、これからどうしようかしら。
とりあえず、これを処分しないと。
右手に持っている袋を見つめる。
この家には誰もいなくなってしまったわね。
でも、何であの子が自殺をはかったときスムーズに切れなかったのかしら…
すると真奈美の頭を強い衝撃が襲う。
な、だれ?意識が混濁しながら周囲を見るが誰もいない。
まさか、幽霊?
どさりと真奈美は倒れる。
(ふぅ、死んでないからセーフよね…このくらいは許してよね、あの子を助けたんだから)
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