呪いの引き継ぎ
病院で天井を見つめながら妄想をする。
「ふふ、今頃証拠を見つけることが出たかしら?でも証拠を見つけてもどうすればいいかなやんでるんでしょうね」
楽しい、人が恐怖に怯える顔を見るのは。
病室の扉が開く。
あら、看護師さん?こんな時間に
「全く、すごいわねぇ。とち狂ったふりをするなんて…自殺未遂も演技でしょう」
早苗はガバッと起き上がる。
「あなた、どうやってここに」
「あ、やっぱり元気ですね」
目の前には白衣をきた相良真奈美が立っている。
(何か武器はないか)
(いや、素手でも何とかなるか…)
「まぁまぁ、落ち着いて。少しお話をしましょう」
「話ですって」
「そうそう、沙夜ちゃんに証拠を探させるために入院したんでしょ?」
「ふふ、そうよ。今頃必死に探していると思うわ」
「見つけたら?」
「見つけたとしてもあの子はどうしていいかわからないで泣いているんじゃない?可愛いわ」
「わからなくもないけど、これ以上いじめると沙夜ちゃんの精神持たないんじゃない?」
「それはそれでいいのよ、壊れた姿をみるのもまた面白いじゃない。その時は私がちゃあんと介護をしてあげるの」
「それが、あなたの目的?」
「そうね、本当は瑛人と沙夜2人に近づいてくる、悪を裁く為に始めたことなんだけど…」
「私の殺人を利用してってことか、ねぇ、共犯者は誰なの?」
「そうね、死ぬ前に教えてあげるわ。安田刑事。あの人は私の夫を殺してくれたけど、やっぱり刑事なのね。ずっとそれを悔やんで瑛人に真相を伝えようとしたから、部下の松田に殺させたんだけど、松田は使えなくてね。あいつも殺したわ。あとは私の両親よ。そうそう、あなた私のお父さんを殺したでしょ」
「ええ、色々と聞きたくて捕まえて殺したわよ、その現場には瑛人くんもいたわ」
「お母さんにも怪我をさせたでしょ」
「ええ、色々と聞きたかったから捕まえちゃった、でも殺してないわよ」
「あなたのせいで遺体処理が大変になっちゃったわ」
「じゃあ、結局共犯者は、刑事二人と両親か…思ったより少ないのね。もっといるかと思ったけど」
「何が言いたいの?」
「保険医とスーパーの店長も関係してるのかなぁって」
「あらあら、そこまで調べてたのね、保険医は私の妹よ」
「へぇー、それは知らなかったわ」
「2人は私のアリバイ作りに協力してくれただけよ」
「そっか、これであなたが犯人だということははっきりしたわね、スッキリした」
「死ぬ前に聞けてよかったでしょ」
「あれ?私を殺していいの?瑛人くんのこと知りたくないの?」
「そうね、どうせあなたが殺したんでしょ」
「どうかしらね。そうそう、今日は私だけじゃないのよ」
「えっ?」
病室の扉が再び開く
「あ、あなたは」
「こんばんは、南川早苗さん」
早苗が困惑している所に真奈美は一瞬で近づき注射を打った。
な、何を打ったの?
早苗の目の前がぐらりとして、気を失う。
「さてと、どうする?」
「殺すよ、この手出ね」
「ふふ、じゃあよろしくお願いします」
真奈美はその男に包丁を渡した。
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