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引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
沙夜編
162/178

正解は…

さてと、そろそろ帰ろうかな。私は思い足取りで家に向かう。


お母さんはどうしているのだろうか?

何を話せばいいのだろうか…


「はぁ、気まずいな」

自分で行動を起こしたんだ。

自分で何とかしないと。


私は玄関の鍵を開ける。


「ただいま」


いないのか?


車は止まっていたけど。


まさか、自殺なんてしないよな…


急に現れて刺されたり…


私は周囲を警戒する。


「お母さん?」


お風呂から音が聞こえる。


何だシャワーか…


こっちは警戒してるのに、呑気なもんね。


しかしシャワーの音はいつまでも止まない。

不審に思った私はお風呂場に入る。


「お母さん?」

返事はない。


私は慌ててお風呂の扉を開ける。


そこにはリストカットをして気を失っているお母さんがいた。


「お、お母さん、ど、どうしよう」


私はまず生きているのか呼吸を確認する。


息はしている…


えっと、どうすれば…


「きゅ、救急車だ、救急車を呼ばないと」


私はあわててスマホを取り出すがなかなか番号が押せない。


やっとの事で119を押せた。


「どうしましたか?」


「あ、あ、あの」


「落ち着いてください、救急ですか?火事ですか?」


「あ、救急です、母がお風呂場で」


「お風呂場でどうしましたか?」


「リストカットをしていてどうすれば?」


「とりあえず、そちらに救急車を向かわせます、おちついてくださいね」


「は、はい」


お母さんの顔はどんどん青くなっていく。


お風呂もどんどん赤くなっている。


とりあえずお風呂から出さないと…


私はお母さんの両脇を抱えて、なんとかお風呂場から出す。


腕をそこら辺にあったタオルで縛って止血をする。

こんな感じでいいのかな…


早く、早く来てよ。


10分程して、救急隊が来た。


「大丈夫ですか、大丈夫ですか?」

何度もお母さんに呼び掛けるも意識が戻らない。


「とりあえず、病院に搬送しましょう、君、娘さんだよね?」


「は、はい」


「他に家族は?」


「私だけです」


「わかりました、とりあえず病院に連れていくので、一緒に来てください」


「わかりました」

私はとりあえず、お母さんの財布を持って一緒に救急車に乗った。


酸素マスクをつけられて簡単な処置をされている。


「止血は君がやったのかい?」


「あ、はい。どうしたらいいのかわからなくて思い付くままに」


「よく、冷静にできたね、偉いよ」


その言葉に私は涙が出てきた。


なんだろう、この気持ちはこの人は殺人鬼。このまま死んでくれれば私にとってはいいはずなのになんで救急車を呼んだんだろう


この自殺未遂だってパフォーマンスかもしれない…


私はどうするのが正解だったんだろうか…


救急車は病院を目指して進んでいく。

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